研究分担者 |
吉田 弥寿郎 京都大学, 木材研究所, 研修員
則元 京 京都大学, 木材研究所, 助教授 (20027163)
川井 秀一 京都大学, 木材研究所, 助手 (00135609)
藤田 武 日本ノボパン工業株式会社, 取締役製造部長
山本 昭夫 ホクシン株式会社, 常務取締役
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研究概要 |
1.前年度に試作したテストプラントを用いて、種々の厚さの配向性パーティクルマットを製造し、長さ1、800mm,幅750mmのボートに熱圧成板した。ボードの厚さ範囲は12〜20mm,比重の範囲は0.35〜0.55とした。接着剤にはイソシアネート系のものを用いた。この実験を通じて、テストプラントの生産性,運転上の問題点などを検討するとともに、得られた配向性パーティクルボードの構造材料としての諸性質(比重,気乾と湿潤における曲げ強度およびヤング係数,内部結合力,耐水性,木ネジ保持力,釘保持力)を調べた。その結果、本プラントで得られるボードの比重精度は従来の工程のそれより改善され、製造プラントとしての適用性が高いことがわかった。また、パーティクルの寸法が小さく、フォーミングの際の落下速度が小さいパーティクルを用いる方が配向性の高いボードが生産されること、およびパーティクルの厚さが薄い程、ボードの性能が高いことなどが分かった。 2.本プラントの配向性付与機構の改善策として、配向性をもった誘電性のシートを極板とマットの間に挿入し、電力線による配向トルクを増強すること、上部電極兼用のエアサスペンジョン装置の導入により、パーティクルの滞空時間を長くすることなどが、効果的であることを明らかにした。 3.比較的細かいラワンのストランドを用い、このシステム(下部電極型反転重システム)でフォーミングした厚さ6mmの配向性パーティクルボードの配向方向の曲強度は417kg/【cm^2】,ヤング係数は105ton/【cm^2】に達し、それぞれランダムボードの1.6倍および2.2倍に相当する高い性能のものであった。この材料を70日間にわたり種々の大きさの曲げ荷重の下でクリープさせた結果、配向方向は構造材として非常に安全なことがわかった。 4.また床材を想定した繰返し曲げ試験を行なった結果、配向方向の性能が高いことが示された。
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