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1986 年度 実績報告書

天然フェノール類の酸化カップリング反応を利用する非ホルマリン系接着剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 60860019
研究機関九州大学

研究代表者

坂田 功  九大, 農学部, 教授 (10038169)

研究分担者 山口 東彦  九州大学, 農学部, 助手 (10091381)
樋口 光夫  九州大学, 農学部, 助教授 (80038257)
キーワードタンニン / リグニン / パルプ廃液 / 酸化カップリング / 酸化剤 / 接着剤 / 木材接着 / 天然フェノール類
研究概要

フェノール類を適当な酸化剤で酸化すると、フェノキシラジカルを生成し、これがカップリング反応を起して不溶化物を生成する。この反応を天然ポリフェノール類であるリグニンあるいはタンニンに適用して新規接着剤の開発を行った。タンニンとしてミモザタンニン(MT)、リグニンとしてサルファイトパルプ廃液(SSL)を用いた。両者を比較すると、酸化カップリング反応により不溶化する反応の速度と不溶化率および酸化剤の所要量などの点で、リグニン系よりもタンニン系の方が適していることが判った。また、酸化剤として前年度までの過酸化水素系の他に、より良い酸化剤系を選択するために、本年度は更に11種の酸化剤系について検討した。その結果、過硫酸アンモニウムに硫酸鉄または硫酸銅を少量添加した系が、過酸化水素系に匹敵する高い不溶化率を示すことが見出された。過硫酸アンモニウムがSSLをゲル化させるのに有効であることは知られていたが、タンニンの力ップリング剤として有効であることは始めて見出されたことである。MTの場合、過硫酸アンモニウムを対タンニン5%程度添加するだけで、カップリング反応が起り、高い不溶化率を示すことが判った。更に、接着剤基材として用いるタンニンやリグニンに前処理を施すことの効果について検討した。その結果、タンニンやリグニンの試料を過酸化水素水、過硫酸アンモニウムまたは塩素水で予め処理すると、その後のカップリング反応性が向上することが見出された。特に塩素水による前処理は有効であり、無処理のSSLでは不溶化しない条件下でも70〜80%の不溶化物を生成することになり、MTではほぼ100%に近い不溶化率を示した。この酸化カップリング反応を利用した接着剤(主にMT)を用いて、別の研究で行っている表面活性化木材パーティクルからのボードを製造し、接着力を測定した結果、すぐれた耐水接着力を示すことが判った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 山口東彦: 第7回木材接着研究会討論要旨集. 32-39 (1987)

  • [文献書誌] 山口東彦: 木材学会誌.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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