研究課題/領域番号 |
60870007
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
森本 武利 京府医大, 医学部, 教授 (30079694)
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研究分担者 |
青海 隆 堀場製作所, 開発本部, 部長
伊藤 俊之 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90168360)
能勢 博 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40128715)
AOMI Takashi Horiba Ltd.
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | Naイオン濃度 / Kイオン濃度 / 循環血 / 連続測定 / ガラス電極 |
研究概要 |
循環血の主要イオン濃度をinsituにて連続的にモニターする方法を確立し、従来のスポットサンプルでは得られなかった、一過性の血液イオン濃度変化を連続的に検出することの出来る新しいシステムの開発を試みた。このシステムを用いれば、各種の生理機能、例えば飲水行動や消化管吸収および腎機能などの研究に飛躍的な進展が期待できる。 測定システムとしては、堀場製作所にて開発された、電解質自動分析装置、セラ301Aの電極を実験目的にそって改良し用いた。すなわち、KCl溶液の流体液絡を、3.3MKCl寒天橋に変更し、KClの流出を最低限に抑え、また寒天橋に140mmol/lNaClを加え、pHをTris-HCl緩衝液にて7.4に調整することにより安定した電位を得ることができた。標準液及び血漿を用いて反復測定した結果、Naイオンに関し95%の信頼限界は0.3mVであった。すなわちこの測定システムでは、120〜150meq/lの範囲において、1.5meq/lの測定精度にてNaイオン濃度を連続的に測定できることが明らかになった。Kイオンの測定精度は3〜6meq/lの範囲において誤差0.05meq/lの精度で連続測定が可能であった。なお全血を用いても測定精度はこの範囲に入り、赤血球の影響は無視することができる(JJPに発表)。 このシステムを慢性的に動静脈にカニューレを植え込んだ、ラットおよびイヌに応用して、意識下に循環血液量とともに連続的に測定し、飲水行動の解析に応用した。その結果を日本生理学会および米国生理学会誌に発表し、この方法が生理学的研究に非常に有用であることを報告した。さらにこの方法は、単に生理学での応用に止まらず、腎透析や心肺手術など臨床医学の広い分野でも応用が可能であり、今後さらにこのシステムの有用性について報告して行く予定であるが、今後このシステムの需要が増加すれば、より安定度の高い型への改良が期待出来る。
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