研究課題/領域番号 |
60870016
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
蘆原 司 京府医大, 医学部, 教授 (30079719)
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研究分担者 |
浦田 洋二 京都府立医科大学, 医学部(病理), 助手 (30143944)
土橋 康成 京都府立医科大学, 医学部(病理), 助教授 (50106390)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 顕微蛍光測光 / 蛍光多重測光 / 蛍光画像解析 / 自動ステージ / DNA / 癌細胞診断 / 形態定量解析 |
研究概要 |
落射型顕微蛍光測光法は細胞内生理活性物質の高感度定量法として、細胞の増殖・その他の機能解析に用いられる上、細胞の形態観察やオートラジオグラフィーが併用できるなどの、フロー・サイトメトリーにはない特徴をもつ。一方、画像解析法は最近の目ざましい機器の発達にもかかわらず、細胞形態の解析法としては、細胞機能との関連における意義づけが困難であるため、今なお一般化されていない。本課題は、従来われわれが進めてきた落射型顕微蛍光多重測光法に関する基礎的研究を基本にし、これに蛍光画像解析法を結合した新しいシステムを試作開発するとともに、これを用いた細胞の機能と形態を関連させた定量解析法を研究することを目的とした。その結果、先ず、業者(日本光学)の技術協力のもとに、研究室で試作開発してきた自動ステージ落射型顕微蛍光測光装置を改良するとともに、これにモノクロ用の高感度テレビカメラと小型の画像解析装置を結合した。次いで、データ処理系に関しては、(イ)信号はRS-232C(測光)とGP-IB(画像)で転送し、(ロ)粒度分布解析用パッケージソフト(機械語)を基本にして細胞形態の定量解析用プログラムを自作するとともに、(ハ)従来から開発してきた顕微蛍光測光法の解析プログラムを結合して、これら全体をパーソナル・コンピュータでBASICプログラムを用いて運用するシステム・ソフトを試作開発した。細胞形態画像は擬似カラー表示とした。そしてこの応用解析を通じて、(1)自動ステージ機構により、個々の細胞に関する蛍光測光法と蛍光像に基づく形態定量解析法を結合して実施する新しい細胞解析法を開発し、(2)画像解析法に基づく細胞内蛍光標識物質の濃度と分布の両定量解析も可能とし、(3)細胞の形の歪みを評価する形状計数を細胞測光値に相関させることにより、ヒトがん細胞診断に関する新しい補助判定法の手がかりを得た。現在、この判定基準と手法の改良に努めている。
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