研究課題/領域番号 |
60870019
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志田 壽利 京大, ウイルス研究所, 助手 (00144395)
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研究分担者 |
佐竹 正延 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (50178688)
伊藤 嘉明 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80004612)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 組換えワクシニアウイルス / 血球凝集素遺伝子 / 成人T細胞白血病 / A型封入体遺伝子 |
研究概要 |
ワクシニアウイルスに種々の外来遺伝子を挿入し、多価ベクターとして利用するために、血球凝集素(HA)遺伝子と、牛痘のA型封入体(ATI)遺伝子の分析を行なった。 1.HA遺伝子内に、成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-I)のenV遺伝子を2種類の方法で挿入し、その発現をまずinvitroで調べた。その結果、1)HA遺伝子内に外来遺伝子を含んでも、ワクシニアは増殖できる。2)外来抗原を持つ、組換えワクシニアウイルスは、プラークの色の違い(野性株はニワトリ赤血球で赤く染るが、組換えウイルスのプラークは無色のまま)で容易に分離できる。3)HAのプロモーターの強さは、今までよく使用されてきたp7.5プロモーターと匹敵することが判明した。これらの結果は、HA遺伝子部位が外来遺伝子挿入部位として適していることを示している。 2.作成した組換えウイルスで兎を免疫してから、HTLV-Iをチャレンジして、兎が守られるかどうか調べた。その結果は、1)兎の血中に、高い抗env抗体が誘導された。2)チャレンジ後27週、観察を続けても今だ、HTLV-Iの抗原は認められず、感染は防御されたと思われる。 3.ATI遺伝子をクローニングするために、牛痘DNAをSalIで消化しライブラリーを作成した。それを、トランスフェクションすることによりATT遺伝子を含むプラスミドを得た。さらに分析することにより以下の結果を得た。1)コーディング領域の上流には、ワクシニア後期プロモーター群と共通の塩基配列が存在した。2)分子量15万ダルトンの蛋白質をコードしている。3)ワクシニアウイルス中9万4千ダルトンのATI類似蛋白質を有している事が判明した。
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