呼吸運動の基礎的データ収集を胸壁周囲、経鼻的温度変化、局所的胸壁、腹壁圧力を検知して記録しその評価を行った。その結果、いずれにても、呼吸運動のモニタは行えるが、単一部位のセンシングでは再現性が悪く精度の高い同期は出来ないと思われた。エアージャケットに関しては8セルのバルーンを装着したものを発注中であり、それに伴う8セルデータの2〜3チャンネルへのエンコーダー装置も検討している。基礎的センサーでの臨床MRI応用を、サーミスターセンサーによる鼻腔温度ならびにSmall air chamberによる胸壁圧力の変化を生体記録装置に入力し、さらにGyroscanの同期ソフトウェアとlinkして撮影を行った。それでは、呼吸運動に対するセンサーのラティチュードはサーミスターセンサーの方が広く、エアチャンバーでは比較的飽和が早く、実用性に関してはサーミスターの方が優れていると考えられた。しかし腹部におけるMRIでは、呼吸運動は複雑であり経鼻法のみでは、十分な同期がとりにくく、この点は今後エアージャケットによる多パラメータのデータ収集を開始予定である。尚超音波診断装置Octosonによる横隔膜Mモードの記録を試みたがリアルタイム性がきわめて悪く評価出来なかった。セクタ型のトランスデューサーによるMモード法はトランスデューサの固定が困難で今后の検訂課題となった。
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