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1985 年度 実績報告書

人工呼吸回路下で使用可能な過渡解析応用の経時的肺機能測定法

研究課題

研究課題/領域番号 60870053
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

宮崎 正夫  京都府立医科大学, 医, 教授 (30079933)

キーワード肺のモデル解析 / コンピューターオンライン測定 / 離散解析 / 解剖学的死腔肺胞気量同時測定 / 揮発性麻酔薬の動的解析
研究概要

本研究は、コンピューター・スケジュールに基づいてトレーサーガスの吸収排出曲線を過渡解析し、気管内插管され人工呼吸下の患者の肺機能測定を、容易にしかも頻回に行なえるシステムを作りあげることを目的とする。即ち、窒素などの不活性ガスは肺への摂りこみ、洗い出しの指標となり、過渡解析より機能的残気量および死腔などを数分以内で算出する原理に基づく。また、笑気など生体に溶けこむ脂溶性ガスであると、溶解量は心拍出量に比例し、循環動態を反映することが期待される。60年度は窒素ガスを用いて、肺の換気の動態を実時間で算出する方法を考査した。60年8月にカセットデータレコーダーとマイクロコンピューターを入手し、ガスマス及び熱線流量計と接続しプロトタイプの術中肺機能測定装置を稼動させた。以後、肺機能正常の成人手術患者を被験者にし、非再呼吸回路で窒素ガスの流入流出過程を測定し、またデータの解析を行なっている。窒素ガスは生体内にほとんど溶け込まず、受動的で純物理的な拡散過程で流入流出が生じるため、死腔量、肺内残気量の算出が可能となる。これらの容量を算出するための仮定として、死腔及び肺胞全体を一つの均一なコンパートメントとみなすことは当然であるが、過渡解析の方法として、1)肺胞換気を連続的な動きをするとみなし解析を行なう方法、(換気計数を肺胞気量分の分時換気量とする)2)1呼吸毎の離散的な肺胞換気で解析する方法、(換気計数を肺胞気+一回換気量分の肺胞気+死腔量とする)などが考えられ、両者について比較検討した。結果は1分間に12回以下の呼吸回数では1)法による算出は2)法に比べて死腔量が大きく見積もられ、従来測定されている値と等しくなった。本法による解析法は如何なる換気回数でも死腔量と肺胞気量が論理的に同時に測定されるため、今後の換気生理に一石を投じると期待されうる。これらについては、第5回臨床麻酔学会で発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 麻酔・集中治療とコンピュータ. 1984. PP66-PP77 (1984)

  • [文献書誌] 日本臨床麻酔学会誌. 4-3. (1984)

  • [文献書誌] 日本臨床麻酔学会誌. 5-4. (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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