研究概要 |
1.術前術中副甲状腺腫瘍局在診断用超音波プローブの開発:Aloka エコーカメラSSD【125^(R!○)】に装着可能な周波数10MHz、メカニカルセクタ走査方式の術前兼術中用プローブを開発した。接触面績5.2×1.8cmでスキャナ先端に水パックを装着したプローブである。 2.臨床応用:前年度作製した術前副甲状腺腫瘍局在診断用超音波プローブ(7.5MHZ)と新たに開発したプローブ(10MHz)を以って、副甲状腺腫瘍の検索を行った。原発性副甲状腺機能亢進症4例,二次性副甲状腺機能亢進症4例を対象とした。原発性副甲状腺機能亢進症はいずれも腺腫によるもので、大きさは150mg,500mg,700mg,6900mgであった。副甲状腺腫瘍局在診断用超音波プローブ7.5MHzと10MHzを用いた術前局在診断では、150mgの腺腫は診断できなかったが、他の3例は診断が可能であった(診断率75%,以下同)。二次性副甲状腺機能亢進症はいずれも過形成で手術により確認できたものは15腺,大きさは100mg〜3900mgであった。副甲状腺腫瘍局在診断用超音波プローブ(7.5MHz,10MHz)による術前局在診断は、10腺(67%で可能で、最小300mgのものまで検出できた。7.5MHzと10MHzのプローブを比較すると、10MHzのプローブでは超音波の到達距離が浅く、7.5MHzのプローブの方が副甲状腺腫瘍の局在診断に優れていた。CTでは原発性副甲状腺機能亢進症4腺中2腺(50%),二次性副甲状腺機能亢進症15腺中6腺(40%)で局在診断が可能で検出可能な最小のものは400mgであった。副甲状腺シンチグラフィーでは、原発性副甲状腺機能亢進症4腺中3腺(75%),二次性副甲状腺機能亢進症15腺中6腺(40%)で局在診断ができ、最小500mgまで検出できた。超音波断層法はCT,シンチグラフィーに較べ、局在診断率が高く、腫瘍と甲状腺との位置関係の把握に優れていた。
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