研究課題/領域番号 |
60870063
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大頭 仁 早稲田大, 理工学部, 教授 (10063520)
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研究分担者 |
簗島 謙次 国立身障者リハビリテーション病院, 眼科, 部長
鵜飼 一彦 北里大学, 医学部・眼科, 講師 (20129232)
小口 芳久 慶應義塾大学, 医学部・眼科, 講師 (70051498)
小松 進一 早稲田大学, 理工学部・応用物理学科, 教授 (00087446)
中島 章 順天堂大学, 医学部・眼科, 教授 (90052927)
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キーワード | 眼底計測 / レーザー走査 / 超音波光偏向素子 / 蛍光眼底観測 / 網膜機能 / 画像処理 |
研究概要 |
60年度に試作した装置の機能実験とその改良を行なった。まずArレーザの514nm波長光を超音波光偏光素子およびガルバノミラーシステムによって、NTSC方式のTV信号に変換し画像形成を行なった。模型眼についての実験で、画角20度の場合眼底網膜上で約45本/mmの解像力が得られた。眼底網膜上でのレーザ光のスポット直径は、理論的には回折効果と光学系(眼球光学系を含む)の収差を考慮して計算した結果、約13μmの半値巾を有すると判定された。しかし、超音波光偏向素子による高速度走査に伴うシリンドリカルレンズ効果の影響により、理論値よりは大きくなり、解像力の低下が観測された。また空冷式Arレーザの出力安定性が充分でなく、画値に影響を与えることが明らかになり、その改良を行った。 一画面を走査する時間は60分の1秒内至30分の1秒であるが、当初心配していた眼球運動による画値の低下は殆んどなく、安定した眼底網膜像を得ることに成功した。 入射光のビーム直径は、入射瞳上で0.3mmであり、光量は20〜100μWであり、從来の眼底カメラ方式に比して低量のため被験者に与える危険性と苦痛が非常に低減されることが明らかになった。これにより、網膜の動的計測の可能性も生じて臨床上大変有利であると判断された。 被験者の前腕部靜脈に蛍光剤を注入して眼底網膜内血管に拡散して行く様子を探ることは臨床医学的にも大変重要な診断の一つである。この装置により、蛍光剤注入後約8秒程で網膜内血管に到達し、さらに静脈へ吸収されていく動的かつ空間的舉動が計測できるようになった。この際、注入すべき蛍光剤の量も、從来より5分の1以下で良いことも確認された。これらの知見は、臨床医学的にも大きな貢献をなすものと思われる。今後さらに定量的計測を進める予定である。
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