研究概要 |
1.生体構成成分由来の構造既知少糖の単離精製 ヒトプロトロンビン,ウシC1q,ウシ血液凝固第【X】因子,第【IX】因子,ヒトIgG,妊娠性絨毛癌患者尿由来hCG,ヒトトランスフェリン等をヒドラジン分解法にかけて各種糖蛋白質標品のアスパラギン結合糖鎖を定量的に遊離した後、Na【B^3】【H_4】で還元して【^3H】標識少糖画分を得た。これらをpH5.4の高圧瀘紙電気泳動にかけて各種シアル酸含有糖鎖を調製するとともに、これらをシアリダーゼ処理して得た中性少糖画分をBio-Gel P-4(-400メッシュ),ConA-アガロースやRCA-アガロースのカラムや瀘紙クロマトグラフィーを用いて種々の構造を有する少糖を単離精製した。また、これらをグリコシダーゼ消化して特別の構造を有する少糖も調製した。 2.微量糖蛋白質の糖組成分析法の確立 試作品を含む多数のHPLCカラムを用いて糖蛋白質に含まれる単糖由来【^3H】標識単糖アルコールの混合物の分離を試みたところ、ShodexS-614カラムが高濃度アセトニトリル溶出で満足出来る分離像と回収率を与えることを見出した。またBio-Rad HPX-87カラムは高温下でアミノ糖の低回収率が顕著だが溶出温度を下げることで各種単糖の完全分離と定量的回収が可能であること見出し、この手法を用いて微量糖蛋白質糖鎖の単糖組成分析にも成功した(投稿準備中)。 3.迅速少糖分離法の確立 DEAE系シリカベースカラムとピリジン酢酸緩衝液を用いて酸性糖鎖を酸性度に基づいて定量的に迅速分離することに成功すると共に脱シアル化中性糖鎖についても、ポリマー系カラムを用い溶出温度等をコントロールすることでグルコースオリゴマーにして約20糖単位までを短時間に分離し、しかも定量的に回収する手法の開発にもほぼ成功しており、現在その実用化条件を検討中である。
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