研究分担者 |
青木 隆夫 東京大学, 医学部・医用電子研究施設, 教務員 (00101113)
池田 研二 東京大学, 医学部・医用電子研究施設, 助手 (70010030)
谷島 一嘉 日本大学医学部, 衛生学, 教授 (40010029)
古川 俊之 東京大学, 医学部・医用電子研究施設, 教授 (20101082)
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研究概要 |
不整脈ことに異所性興奮焦点に起因する発作性心室頻脈の臨床的意義に鑑みその発現形態をシンミュレートするモデルとして興奮旋回理論と副調律理論の統一をめざして研究を行った。 [1]初年度構築したモデル、すなわち心房・刺激伝導系・左右心室の4ブロック、計115節点よりなるモデルを拡張し、中間段階として190個の心筋活動節点と約1,400個の興奮伝導枝からなるモデルを作成した。節点は心房群,刺激伝導系,右心室群,左心室群に区分し、刺激伝導系は房室結節,His束,左右両脚,プルキンエ繊維に分け、とくに結節性興奮旋回との関連で結節内はα,β繊維の縦解離を模擬した。 [2]不整脈逆問題解のための基本方程式の作定:心電図波形の時間積分によって体表面上の等積分電位図を構成し、これに逆問題解を適用して心外膜上の興奮到達時間分布を推定した。 [3]不整脈実験動物による検証:不整脈逆問題の妥当性を検証するため、興奮旋回路の一部を刺激する実験システムで、犬心臓にレエントリーを再現した。心臓は冠灌流によって体液と等滲透圧の電解質溶液に浸たし、円筒トルソモデル上および心外膜上で表面電位を同時計測した。 [4]今後の方向として、心興奮法定式を微分方程式として記述し、連続媒体のおける不整脈空間モデルを作成するとともに、細胞内代謝過程との関連を組み込んだモデルによって、とくにイオンチャンネルとの相互関係を取り扱うために、予備実験を行った。
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