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1985 年度 実績報告書

覚醒剤の密輸・密売ルートの科学的解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60870099
研究機関帝京大学

研究代表者

三浦 洋四郎  帝京大学, 医, 助教授 (40082135)

キーワード覚醒剤 / 覚醒剤の薬物指紋 / ヒロポン / methamphetamineヒロポンのdl分割 / ヒロポンの生体内動態
研究概要

厚生省が発表した「昭和58年度麻薬・覚醒剤行政の現況」(麻薬白書)によれば、覚醒剤乱用の傾向がすでに14年間も続いており、犯罪に使われている覚醒剤は全て外国からの密輸品であるという。しかし諸研究者による既報の方法を用いて押収した覚醒剤の原末を分析したデータのみで、当該原末がどこで密造され、どのようなルートで日本に密輸されたものかを断定することは出来ない。また、いずれの研究機関においてもこの分析は成功していない。申請者は共同研究者の長井辰男とともにこれらの点を明らかにし、日本から覚醒剤の犯罪を撲滅することを目的に基礎的研究を行ない、次の研究成果を得たので報告する。
1.覚醒剤原料のエフェドリンは2個の不整炭素原子がある。したがって、エフェドリンを原料としてつくったヒロポン(methamphetamine)は、d体、l体、dl体の3種類がある。また、dl体は分割によってd体とl体にすることが可能である。共同研究者の長井は、dl分割して得た市販の研究用d-ヒロポンに、製造の都度l-ヒロポンが種々の割合で混入していることを初めて明らかにし、dl分割によって得られるd-体、l-体の混入の割合を「ヒロポンの薬物指紋」と呼ぶことを提唱した(投稿予定)。申請者らは、当該薬物の押収品を分析し、分割されたヒロポンは化学者の技術の程度によって、ヒロポンとしての薬物純度が100%であっても光学純度は100%でないことを明らかにした。各押収品の薬物指紋が異っていた。これらの知見は、当該研究の基礎が確立されたことを示唆する(投稿予定)。
2.ヒロポンの生体内動態を実験動物を用いて研究した。その結果d-体がl体より強い薬理作用を示し、骨、歯芽、毛髪などの硬組織から当該薬物検出出来ること及びWaterhouse-Friderichsen Syndromeを誘発することが可能であることを初めて明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 4th World Congress on Emergency and Disaster Medicine. (1985)

  • [文献書誌] 26th Congress of the European Society of Toxicology. (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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