60年度はQマシンの設計・製作・組立ておよび予備実験の一部を行った。以下にその主要項目について記す。 1.磁場コイル系:本研究所既有の磁場コイルを据えつけ、既設の電源および冷却水系と接続し、直流600Aの通電試験を行った。 2.眞空容器・評気系:上記磁場コイルと組み合わせて眞空容器を組立て、今回購入した評気系を接続し、基礎眞空2×【10^(-7)】torrを得た。 3.ボンバード電源:東北大学工学部のQマシン用ボンバード電源を参考として設計・製作した。プラズマを精度よく一定に保つためには熱電離によりプラズマを生成する熱板の温度を精度よく一定に保つことが重要である。そのため、本電源では熱板を加熱する電子ビームの電流(2A)と電圧(2KV)とを同時に±5%の精度で制御するようにした。ダミー負荷での試験をおえ、これから実負荷での試験を行うところである。 4.ベーキング系:眞空容器を150℃に加熱できるように容器にベーキングヒータをとりつけた。電源のシーケンス試験を終了し、これから実負荷試験を行う。 5.冷却系:眞空容器を-30℃に冷却するため眞空容器に冷却パイプをまきつけ断熱材で覆う作業および冷凍機の拾付作業が完了し、現在調整のための運転を行っている。 6.熱板電極:タングステンの熱板電極・ヒータ・支持機構・冷却パイプ、電流導入線等一式を製作した。 7.リシウムオーブン:リシウムを600℃に加熱してリシウム蒸気を発生させるオーブンを製作した。 上記熱板電極・リシウムオーブンは、眞空容器のベーキング試験および冷却試験終了後、眞空容器に装置する予定である。
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