研究分担者 |
酒泉 満 東京都臨床医学総合研究所, 実験動物研究室, 研究員 (40175360)
土屋 公幸 宮崎医科大学, 動物実験施設, 助教授 (30155402)
加藤 秀樹 (財)実験動物中央研究所, 育種研究室, 研究員 (30142053)
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助手 (90171058)
今井 弘民 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助教授 (10000241)
|
研究概要 |
マウスを生かしたまま尾の一部を用いて微量のDNAを抽出する方法を実用化することができたので、代表的な系統および野生由来系統を対象に、マウスH-2領域遺伝子Αα,Αβ,Εα,Εβを検出するDNAプローブを用いて系統特異性を示す遺伝的プロファイルの作成を試みた。その結果遺伝的多型の大きさはΑβ,Εβ,Αα,Εαの順であることがわかった。マウス系統の標識として使うのにはΑβ遺伝子が最も適しているが、これとΕβとを組合わせればさらに特異性の高い標識が可能となる。マウスで確立した手法をラットに応用することも試みたが、Αβ,Εβ等に対するDNAプローブはラット尾部から抽出したDNA資料を用いたサザンブロット法分析においても十分使用に耐えることがわかった。近交系ラット10系統について制限酵素Hind【III】消化の後DNA断片の長さの多型的変異を比べたところ、5群に分類されることが明らかにされた。この5群はそれぞれRTIに対する抗血清で決められたハプロタイプと一致する。制限酵素5種類についてさらに分析を進めたが、同じ5群に分けられた。ドブネズミ野生集団から採集した数10個体についても分析を行ったが、近交系で見出された5種類のタイプに属さないものが多数観察され、ドブネズミ種におけるクラス【II】MHCに著しい多型が存在することが推察されこれらの遺伝子が遺伝的モニタリングの標識として適していることが示された。一方DNAのRFLPをアイソトープを使わないで分析する方法としてケミカルプローブによる手法を試みた。プローブDNAにビオチンを結合させ、これにさらにアビシン・アルカリフォスファターゼを結合させることによって、制限酵素分解したDNA断片を電気泳動膜上に検出した。実用化の道が開けたといえよう。マウスT遺伝子領域のDNA多型をプローブによって分析することを試みた。H-2DNAには地域毎に差異があったが、tDNAには差が認められなかった。
|