研究課題/領域番号 |
60880015
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
中島 利誠 お茶大, 家政学部, 教授 (00013152)
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研究分担者 |
駒城 素子 お茶の水女子大学, 家政学部被服学科, 助教授 (10077480)
YANAGISAWA Mami Ochanomizu University
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 高分子電解質コンプレックス / 架橋密度 / 電荷密度 / 吸湿性 / 吸水性 |
研究概要 |
予定通り実験が進み、初期の目標は達成された。研究成果を列挙する。 1)弱電解質/弱電解質型コンプレックス このコンプレックスは架橋密度・電荷密度が低く、しかも均一な無定形状態である。乾燥状態ではガラス状であり、吸水によりゴム状になる。吸着型と溶解型が組み合わさった吸水挙動を示す。また水分率の高い状態では、吸収された水はクラスターを形成している。 2)弱電解質/強電解質型コンプレックス 成分高分子の片方を強電解質に変えた場合、架橋密度はそれ程増加しないが電荷密度は約10倍になる。乾燥時ガラス状態、吸水によりゴム状態というモルホロジー変化は(1)と同様である。吸水能力は飛躍的に増大する。また高吸水状態でも、水分子は網目構造の中に均一に分散されている。 3)強電解質/強電解質型コンプレックス このコンプレックスのモルホロジーは(1)(2)とは全く異なる。架橋密度・電荷密度共に高い。吸水挙動は網目構造への溶解型で、吸水に伴う高分子鎖の再配置現象は起こらない。吸水能力は(1)(2)より高い。吸水された水はイオン基による構造破壊を受けクラスターは形成されない。 4)生理食塩水に対する吸収性 生理食塩水の吸収能力は、純水の吸収能力と比例関係にある。この物質の場合、純水に対する吸収能力を高めさえすれば尿に対する高吸収性の問題を解決できる。(1)-(3)の実験を通して、高吸水性をもたせるためには電荷密度が高く、架橋密度が低いという条件が必要であることがわかった。
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