研究課題
試験研究
本研究は、アメリカ カリフォルニア州リバモア国立研究所の中性子源RTNSIIより発生する14MeV中性子照射によるセラミックスの体積変化の測定を可能にする様計画されたものである。核融合炉から発せられる中性子は14MeVのエネルギーをもち、これに対して在来の核分裂炉で発せられる中性子は1MeVにすぎない。そのため、核融合炉達成における問題点のひとつは、核融合炉に使用される材料が14MeV中性子照射下でどのように振舞うかを明らかにすることである。セラミックス材料の照射損傷の評価にもっとも適当な物理量は体積変化である。本研究では、RTNSIIより得られる極めて強度の小さい14MeV中性子線照射下で使用可能な安定度の高い体積変化測定装置を製作し、【A1_2】【O_3】,【MgA1_2】【O_4】の体積変化を測定した。本装置においては、二個の試料をチェンバー内に設置し、そのうち一方が、他方にくらべて、約5倍以上の中性子をうけるようにし、二つの試料の長さの差を、電気信号に変換して求めた。試料は真空によって遮蔽されたチェンバーの中に設置した。コンデンサー容量は、インピーダンス・ブリッジで0.1秒ごとに行い計算機に記録した。試料としてはa軸およびc軸に平行な長さ変化が測定出来る【A1_2】【O_3】と【MgA1_2】【O_4】とを用いた。約三週間の照射実験を行ったが、その間、十分な安定度を得るこができた。本研究で得た主な結論は次の通りである。1)中性子照射下における体積変化測定装置を完成した。この装置によって、【10^(-6)】の体積変化が測定出来る。2)【MgA1_2】【O_4】中性子照射による体積変化は、【A1_2】【O_3】における体積変化の約半分である。3)【A1_2】【O_3】における体積変化の大きさはa軸方向とb軸方向とで異なる。
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