研究課題/領域番号 |
60890008
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南園 忠則 阪大, 理学部, 教授 (20028210)
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研究分担者 |
松多 健策 大阪大学, 理学部, 助手 (50181722)
野尻 洋一 大阪大学, 理学部, 講師 (90028233)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 短寿命核 / 非対称ベータ崩壊 / 核スピン偏極核磁気共鳴 |
研究概要 |
ベータ崩壊する短寿命核(寿命:0.01〜1.00秒)を用いる新しい核磁気共鳴法を一般化し発展させている。この方法は(1)核反応による短寿命核の生成(2)生成核のスピン偏極生成、(3)核反応を利用する任意資料中への希薄な反跳植え込み(〜【10^(11)】ケ/cc)、(4)偏極核からの非対称β崩壊を指標とするNMR等四段階の特長ある要素からなっている。人工的に作る巨大な偏極度と、放射線(ベータ線)分布測定による高感度の偏極度検出が行なえるという大きな利点を持っている。ただしこの方法は偏極が生成出来る核のみに応用出来るので、研究対象核の偏極生成が、大変重要なのであるが、原子番号20以上の核にこれを生成する一般的な方法がなくて、大変困難を来していた。そこで、今回、ビーム・斜膜相互作用を用いる新しいより一般的な偏極生成法を開発して今までの困難を解決した。。次ぎにこの方法をNMR用の装置にon-line結合して核磁気共鳴を行ない、新NMR法の実用的利用と多方面の研究への応用を可能にした。 速いイオン(波数ベクトル【→!K】)が進行方向と斜めにおかれた薄膜(法線方向ベクトル【→!n】)から出射した時このイオンの電子の持つ軌道核運動量は【→!n】×【→!K】の方向に偏極している。自由空間を飛行中に原子核と軌道電子間に働く原子超微細構造相互作用のために、核スピンには電子の偏極が平均として移行される。当然原子偏極は電子量子準位の状態に強く依存する。これをイオンの運動エネルギーと膜の出射面を形成する原子材料を選択する事で制御出来るようにその方法を開発した。このようにして得られた偏極核を用いたらNMR試験が出来ることを示す一例として、【^(12)B】や【^8Li】原子核を白金資料に植え込み磁気共鳴を行ないスピン制御してその偏極度を精度よく決定することが出来た。特に、このLiK核の場合には出射原子がIS基底状態にあっても核スピンを偏極出来た。
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