研究概要 |
1. 現代の代表的な2種類の管内形状(管軸に沿った内径変化パタン)および初期芸能用尺八の銘器の各原形, これらの尺八の音律を修正した形状, 円筒と円錐を基本形とする管形について, 音色性能を左右する音響的性質(アドミタンス・スベクトルー管の第1共鳴周波数の整数倍周波数における共鳴の強さのパタン)と特徴を比較した結果, 円筒および円錐を基本形とする管形は, 尺八固有の管形に比べて音色性能であること, 現代のもう1種の形状は軽い現代局それぞれに向く標準構造寸法仕様を各1例呈示した. これらの管内形状は, 寸法精度の確保のためには不可欠と考えられる機械工作上の便宜を考え, 円筒と円錐の部分の連なりで構成されている. 3.所要のおんりつ・音色性能を得るための寸法工作精度を示した. 必要精度は. 管両端各10cmほどの範囲は±0.3mm程度だが, それ以外は±0.1mmを要する. 4.音律を所要の音律(邦楽, 平均律等任意に設定可)に修正するための構造変化に関するきわめて音響的性質(アドミタンス・スペクトル)を算出すプログラム, 音律修正のための寸法変化仕様を求める部システムなどを開発し, 16ビットの普及しているマイクロコンピュータで実行出来るベーシックプログラムとして呈示した. 6.報告書の作製について. 作に行った尺八構造, 音律の研究結果など, 製作現場で本研究成果を用いるいえに必要な範囲をも含め, 平易に解説することによって, 所要の音律・音色性能の尺八を製作するための設計指針諸としての機能を持たせた.
|