研究課題/領域番号 |
61010086
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研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
恒元 博 放射線医総研, その他, 研究員 (10167520)
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研究分担者 |
坂本 澄彦 東北大学, 医学部・放射線医学教室, 教授 (20014029)
金子 一郎 理科学研究所, 放射線生物研究室, 副主任研究員 (50087558)
西臺 武弘 京都大学, 医学部・放射線医学教室, 助手 (70093292)
鈴木 捷三 東京大学, 医科学研究所・サイクロトロン, 助手 (30012743)
安藤 興一 放射線医学総合研究所, 臨床研究部, 室長 (00159526)
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キーワード | 速中性子線 / 陽子線 / 重イオン / 粒子線治療 / 治療効果改善比 / 名目的標準線量 / 生物学的効果比 |
研究概要 |
速中性子線と陽子線の名目的標準線量(NSD)の評価に重点を置いて研究を進め、さらに腫瘍の放射線抵抗性を解明し、重イオンの生物学的効果比(RBE)を明確にする研究を行なった。 1.名目的標準線量と組織の耐容線量に関する研究:動物種をICRマウスに統一して研究を進め、その成果と臨床試行の成績を総合比較することにより、速中性子線と陽子線の耐容線量が明らかになり、NSD算定公式が定まった。 (1)速中性子線のNSD: (皮膚)16MeVd→Be;NSD=TD・【N^(-0.07)】・【T^(-0.11)】……(1) 30MeVd→Be;NSD=TD・【N^(-0.11)】・【T^(-0.11)】……(2) (肺) 30MeVd→Be;NSD=TD・【N^(-0.04)】・【T^(-0.13)】……(3) TD:総線量,N:分割照射回数,T:照射期間 Nの定数は速中性子線のエネルギー賦与が大きいと小さくなる。速中性子線照射による肺組織の耐容線量は皮膚よりも少ない。 (2)陽子線のNSD: (皮膚)70Me【V】陽子線; NSD=TD・【N^(-0.20)】・【T^(-0.11)】……(4) (4)式により40Gy/4分割照射/4週のNSDの値は1761retである。陽子線照射によって現れる組織線維症の程度は低く、治療効果改善比(TGF)はX線照射よりも改善することが分った。 2.粒子線の腫瘍に対する効果:腫瘍容積が大きくなるにつれて速中性子線のRBE値が大きくなる原因は低酸素細胞が増加するためと分り、重イオンのRBEはネオン,シリコン,アルゴンイオンの順で大きな値になった。 以上の研究成果により、荷電粒子線を用いることによりTGFは改善し、エネルギー賦与の高い粒子線の生物効果をがん治療に有効に活用できることが明らかになった。
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