Phizoxinは、極めて高い抗腫瘍活性を有している注目すべきマイクロライド抗生物質である。しかし化学的安定性および微生物による産生も悪い。それ故有機合成的アプローチによる構造活性相関研究が最も望ましい。本研究はRhizoxin構造を下図に示したようにRight-half(1)とLeft-half(2)に分け、16員環部分を構築した後側鎖クロモファを結合すべく計画した。 1.Right-half(1)の合成 3位に置換基を有するGlutarate-typeの対称ジェステルを種々合成し、それらについてPig liver esteraseにより不斉加水分解を検討し、キラルハーフエステルを得たのみ、cyclic hydroborationで目的物1を得た。 2.Left-half(2)の合成 当初はL-型酒石酸を原料として出発したが、良好な結果が得られず、(S)-β-hydroxy isobutyric acidメチルエステルを出発原料とする合成戦略により2を合成すべく、かなりの進展が見られた。
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