研究課題/領域番号 |
61020035
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
安倍 北夫 早稲田大, 文学部, 教授 (30014393)
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研究分担者 |
田中 重好 弘前大学, 人文学部, 助教授 (50155131)
広瀬 弘忠 東京女子大学, 文理学部, 教授 (90013044)
浦野 正樹 早稲田大学, 文学部, 専任講師 (20160335)
長田 攻一 早稲田大学, 文学部, 教授 (10120908)
秋元 律郎 早稲田大学, 文学部, 教授 (00063503)
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キーワード | 大規模地震 / 都市 / 被害波及過程 / 防災力 |
研究概要 |
本研究は三つの下位課題からなる。(1)「集合行動の力動分析」については三原山の噴火全島避難を好機として急遽現地調査(1500サンプリングによるアンケート調査)を行い、そのデータを基に解析を行った。時系列としては、爆発から避難、避難所生活、帰島までをとりこみ、これらの集合行動の経緯とそれを規定する諸要因について分析を行った。主要な知見は次の如くである。恐怖や不安ひいては混乱を左右する最も大きな要因は、情報(避難命令を含む)の適不適、妥当性であり、しかしそれにもかかわらず五感を通じての現象認知も基盤要因として大きなウエイトをもつ。また、定住性、近隣関係、過去の噴火体験、さらに島であって船以外に避難手段をもたぬこと、噴火が夜闇であって衝撃的であったことなどが一斉避難の立上り要因として利いていた。(2)第二の「コミュニティ特性と防災力」については大田区から特徴のある12地点を選び、600サンプルのアンケート調査とオフィシャル・レコードによる地域特性のチェックを行い、これらの地区特性と不安度の高さ、災害準備行動、社会的混乱可能性との対応関係を分析した。まず地理的特性ー木造率、空間率、道路率、延焼危険度等ーはほとんどストレートに不安度の高さと関連するが、コミュニティ特性ー近隣親密度、防災組織参加度、コミュニティ活動参加度ーは必ずしもストレートには不安度に反映せず、地理的特性との相関の上で不安度や社会的混乱可能性と関連するように思われた。(3)「援助行動」については日本海中部地震の時の能代について600サンプルのアンケート調査を行い、その主要な結果として災害突発からの時間的経過によって援助行動は質量ともに重くかつ多くなる、インフォーマルな関係を通じての援助はフォーマルなものより質量ともに多い、また生活被害についてはインフォーマル、生産被害についてはフォーマルなものの方がウエイトが高くなることが明らかにされた。
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