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1986 年度 実績報告書

なだれ発生予知の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61025004
研究機関北海道大学

研究代表者

清水 弘  北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (30001647)

研究分担者 和泉 薫  新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助手 (50114997)
成田 英器  北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (20001662)
秋田谷 英次  北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20001654)
キーワード弱層 / しもざらめ雪 / 連続降雪深 / クラック / 積雪表面構造(コブ,シワ,ヒダ) / 表層なだれ / 全層なだれ
研究概要

表層なだれ:1.表層なだれ発生の基本条件である積雪内の弱層の形成は、これまでに4種類のものが知られていたが、本研究により更に2つの新しい弱層形成過程が明らかになった。(1)低温,無風,晴天の場合には、温室効果と放射冷却のために積雪表層内に極めて大きな温度勾配が発生し、数時間で積雪表面直下にしもざらめ雪の薄層が形成される。(2)風を伴なった隆雪中、風速が一時的に弱まると(風の息)、密度の低い弱層がその時に形成される。北斜面ではこの弱層は積雪内に長時間保存される。(3)この機構に基いて、北海道日勝峠のなだれ発生過程がモデル化され、その予知方法のモデルが作られた。2.北陸地方では、乾雪表層なだれは連続降雪深1m以上で発生し、積雪深が小さい場合は臨界連続降雪深が増大することが明らかになった。
全層なだれ:1.全層なだれの予兆であるクラック(亀裂)の開口速度の推移は気象条件と開口度の函数であることがわかり、全層なだれ発生が近づくと開口速度が急速に増大することがわかった。測定例によれば、開口速度が30cm/日以上になると全層なだれが1日以内に発生したが、確かな閾値の決定には更に研究を要する。クラックの成長につれて、クラック下部周辺の積雪表面にはコブ,シワ,ヒダなどの規則的な構造が出現し、発達することが記録されたが、全層なだれ発生予知要素としての定量化には更に研究を要する。2,北陸地方では、湿雪全層なだれが発生する気象条件は、日最低気温が0℃以上になり、発生前1週間以内に日最高気温が8℃以上を少なくとも1回以上記録することが必要である。また、乾雪全層なだれが発生するためには、3m以上の積雪深が必要であった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 清水弘,秋田谷英次: 低温科学. (1987)

  • [文献書誌] 清水弘,秋田谷英次: 低温科学. (1987)

  • [文献書誌] 清水弘: 低温科学. (1987)

  • [文献書誌] 秋田谷英次: 低温科学. (1987)

  • [文献書誌] 成田英器,清水弘: 低温科学. (1987)

  • [文献書誌] 和泉薫: 新潟大学積雪地域災害研究センター研究年報. 第9号. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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