研究課題/領域番号 |
61025023
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
岩橋 徹 静大, 教育学部, 教授 (60021870)
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研究分担者 |
大塚 謙一 静岡大学, 理学部, 助手 (20022303)
狩野 謙一 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30090517)
木宮 一邦 静岡大学, 教育学部, 教授 (20022212)
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キーワード | 地震誘発の地盤災害予測 / 河津町・伊東市街周縁部スコリア層 / 河津町の古土壌 / 熱海市の熱水変質土・風化変質土 / 土のせん断強度 / 斜面災害発生の確率 / 熱変質帯の分布の指向性 |
研究概要 |
木宮は伊東市近傍の風化変質帯と長野県御岳山の土石流災害地の調査を行い、両者を比較検討した。また、昭和29年〜58年の30年間にわたる伊豆地域の斜面災害例を『静岡新聞』の記事より収集し、他の地域と比較検討した。その結果、静岡県内でも伊豆地域がもっとも斜面地震を引き起こす確率の高い地域であり、その原因は変質帯が広範囲に存在するためとわかった。 狩野は南伊豆の仲木・入間,西伊豆の松崎付近、下田周辺の新第三紀層の層序・構造と斜面災害の素因となる熱変質帯との関係を調査・検討した。その結果、熱変質帯は或る指向性をもって分布し、基盤岩の構造に大きく規制されず、その構造形成後に生じた可能性が高いと判断した。なお、調査地における地震誘因の変質帯斜面災害の例として仲木地区地すべりを挙げた。 大塚は東伊豆町、河津町周辺に分布する東伊豆単成火山群の火山砕屑堆積物(スコリア層)の分布、層序およびその変質状況を調査した。その結果、粘土化(ハロイサイト化)が2m内外の深度にある細粒火山灰層またはその土壌化した部分で著しく進んでおり、地表からの浸透水によるスコリア中の火山ガラス等の溶脱・集積が原因であろうとの見通しを得た。 岩橋は東伊豆の河津町および熱海・伊東両市街周縁部の熱水変質帯・風化帯の分布を調査した。この結果をもとに、地震誘発の地すべりが予測される地点の中から重点研究対象地として河津町見高入谷、熱海市桜木町および同市西熱海町の2個所、計4個所を選び、本年度の補助金で購入した現場剪断試験装置を用い、熱水変質土・風化変質土の剪断強度を測定した。その結果各地点における土の剪断強度は河津町の古土壌を除き、一般に深度の増加で大となり、含水比の増加で低下する状況を明らかにできた。現在、空中写真立体視で得たデータと、各分担者の研究で得た情報を加えて総合的に検討し、学会発表の準備を行っている。
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