研究課題/領域番号 |
61025037
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西 潔 京大, 防災研究所, 助手 (70027241)
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研究分担者 |
須藤 靖明 京都大学, 理学部, 助手 (40025466)
小野 博尉 京都大学, 理学部, 助手 (50025392)
江頭 庸夫 京都大学, 防災研究所, 助手 (00027236)
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キーワード | 九州地区の噴火災害 / 火山噴火の中期・短期予測 / 相似地震 / 鶴見岳の地震活動 / 予測率 / 火山性B型地震の群発 |
研究概要 |
1.1880年以後の気象庁の震源ファイルを用い、九州地区の地震活動の時・空分布図を作成し地震活動と火山活動の関係を調べた。その結果、(1)時・空分布図における距離としては、当該火山と地震の震央距離を用いるより、火山列を示す直線(九州地区の場合N15°E)に震源を投影した点と当該火山との距離、を用いる方が良い相関が認められることがわかった。これは火山活動にとってプレートの運動方向で発生した地震はそれと直交方向で発生した地震より影響が強い事を意味している。(2)深さが50km以上でMが5〜6以上の地震の発生は中期予測上注目すべきである。 2.南九州の地震活動と最近の桜島火山の火山活動については2、3の点で関連性が認められる。 3.阿蘇火山においては1年以上にわたって似た波形の地震が発生することがあるが、震源域が火道と推定される狭い領域である事からこの地震の発生は噴火活動に直接関係のある火山体内部の状態を反映していると考えられる。従ってこの種の地震の消長は活動予測の上で重要な要素である。 4.鶴見岳周辺は山頂付近と南山麓において群発地震が発生している。山頂付近の地震活動は火山活動との関連も考えられるので注目する必要がある。 5.桜島と周辺における水準測量と辺長測量の結果は特に顕著な変化は認められず火山活動に大きな変化はないと考えられる。 6.予測または判定を自動化するためには予測(判定)を定量的に評価する必要があり、予測率(判定率)=((的中数)/(予測数))×((的中数)/(現象数))で定義される概念を導入した。 7.桜島火山の短期予測に関してB型群発地震の発生状態による方法を開発した。
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