研究概要 |
自然災害科学で取り扱う図面的資料は、災害場所での地図・写真・地形図・地質図・空中写真など種々のものがあるが、研究代表者および分担者の専門分野である地震災害,内水災害,海岸災害に関する図面的資料を収集整理し、各々の資料の種類・形態の特徴を考慮しイメージデータ化した。 地震災害については、1983年日本海中部地震に関する各種報告書及び論文を収集し、文献情報データベースに収納すると共に、それらの資料の内容を的確に捉えることのできる図面や表をイメージデータ化した。また、宮城県沖地震,日本海中部地震,メキシコ地震の被害に関する新聞記事を収集し、イメージデータ化するための基礎的な研究を行った。それに基づいて地震災害規模と新聞記事の件数ならびに記事の大きさとの相関を取り地震発生日時からの経過時間に対して指数関数的に減少する傾向があることを見いだした。これに基づいて地震災害規模と新聞記事の関係を評価するための指標を提案した。内水災害についても、同様に最近の災害に関する新聞記事を収集し、イメージデータ化するための基礎的研究を行った。海岸災害に関する資料については、安政南海道津波を対象とし、まず、「大津波図」などの各種絵図と大阪の古地図を同一規格で白黒写真に複写することにした。ついで、古文書は解読して原稿用紙に清書し、何れもイメージデータとして入力し、検索可能とした。また、関連する論文、記事についてもタイトルや著者名の表示法を統一したファィルを作成し、イメージ情報への入力前における整理法について検討した。 これらのイメージデータをデータベース化するためには、検索項目の設定を行う必要があるが、そのための基礎的研究として、共通の検索項目及び種別の検索項目をいくつか試験的に設定し、各々の検索効率を試験し、本格的なデータベース構築の基礎資料を得た。
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