研究課題/領域番号 |
61030014
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甘利 俊一 東大, 工学部, 教授 (80010726)
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研究分担者 |
朝来野 国彦 東京都環境科学研究所, 大気部, 部長
添田 喬 徳島大学, 学長 (00035578)
内藤 正明 国立公害研究所, 総合解析部, 部長 (40101042)
広崎 昭太 国立公害研究所, 環境情報部, 部長 (50150165)
竹内 啓 東京大学, 経済学部, 教授 (20012114)
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キーワード | 環境統計 / 大気汚染 / 空間分布構造 / 地域代表性 / 分散分析 / 簡易測定法 |
研究概要 |
本年度も前年度につづいて、東京都西部において簡易濃度測定器による二酸化窒素(デフュージョンサンプラー法)と二酸化硫黄(フィルターバッチ法)の稠密測定調査を行った。さらに茨城県が中心となって収集した鹿島地圧における稠密測定データや徳島県における道路周辺の窒素酸化物濃度のデータを入手し、大気汚染質の時間的・空間的変動の統計的な解析を行うとともに予測モデルの開発を検討した。 簡易測定法による調査から次のことが明らかにされた。 (1)平行測定のデータから、ディフュージョンサンプラー法による測定誤差は、濃度が高い程大きく、平均濃度の約5%であった。 (2)地点変動および日×地点の交互作用の大きさは日変動に比べるとかなり小さく、ある日の全地点の濃度を、その日の地点平均で代表したときの誤差の標準偏差は、約2.8(春),3.1(冬)ppbであった。 (3)地域変動パターンは全調査期間を通じてかなり安定していた。このため、空間的な変動を加えた濃度の推定値の誤差の標準偏差は、約1.9(春),2.6(冬)ppbとなった。 (4)濃度分布パターンの日による変動は誤差変動に比べるとかなり大きく、風向によってパターンが異なるが、同一風向ではほとんど変化しない。風向毎のパターンの情報が空間的な変動の情報とともに与えられれば、濃度の推定誤差は測定誤差と同レベルとなる。
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