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1986 年度 実績報告書

沿道汚染の生体影響

研究課題

研究課題/領域番号 61030060
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

常俊 義三  宮崎医大, 医学部, 教授 (40108585)

研究分担者 石川 栄治  宮崎医科大学, 医学部, 教授 (40029939)
吉田 克巳  三重大学, 医学部, 教授 (20024664)
安達 元明  千葉大学, 医学部, 助教授 (50009148)
笠原 三紀夫  京大, 原子エネルギー研究所, 助教授 (80027143)
春日 斉  東海大学, 医学部, 教授 (60096211)
キーワード自動車排気ガス / 生体影響 / 道路周辺 / 疫学調査 / 動物実験
研究概要

自動車沿道住民の生体影響「量一反応」を判断するための暴露の推定については、拡散モデルを作成し、野外調査結果と伴せて検討した結果、自動車排気ガスのような低煙源の場合には、粒子状物質については沈着の効果が大きく沿道より200〜300mで約1/2が除去されること、ガス一粒子反応による変質効果はきわめて少くなく無視出来ることを明らかにした。
一方、生体影響の発生機構を明らかにすることを目的としてモルモットを用いた【NO_2】の暴露実験では、【NO_2】1ppm、3ppm1日4時間7日間の暴露を行いCandidaの生菌を用い腹腔内投与により感作を行った結果では、【NO_2】暴露により遅発性ぜん息の発症が起り得る可能性を示す結果が得られ、また、生体影響を明らかにするために行った生化学指標については、肺のコラーゲン、エラスチンの代謝産物であるデスモシンに着目した測定法に関する検討より、血中,尿中のデスモシンの測定(酵素免疫法)方法を確立することが出来た。
千葉県,東京都および大阪市内で行った野外調査結果では、道路沿道より50m以内に居住する学童の【FEV_(0.75)】、%【FEV_(0.75)】および【V_(25)】の平均値は沿道150m以遠の学童より低値を示すこと、尿中HOP比についての経年観察では、自動車排気ガス量の増減に応じてHOPが変化すること、ATS-DLDの標準質問票を用いた調査では、ぜん息の有症率は、沿道50m以内に居住する学童の方が沿道50m以遠に居住する学童よりも高く、また、50m以内の有症率と50m以遠の有症率の差は、【NO_2】濃度の両地区間の差に対応したものであり、有症率と大気中の【NO_2】濃度の間に「量一反応」の関係が成立することを明らかにした。なお、沿道学童では血清IgEが低値を示す のが多いことから、アレルギーに依存しないぜん息発症の可能性が示唆されるが、これは従来の動物実験による知見と一致するものであった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 常俊義三: 第27回大気汚染学会講演要旨集. 113-118 (1986)

  • [文献書誌] 安達元明: 第27回大気汚染学会講演要旨集. 444 (1986)

  • [文献書誌] 吉田克巳: 第27大気汚染学会講演要旨集. 107-112 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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