研究課題/領域番号 |
61030078
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
東 監 産業医大, 医学部, 教授 (30028386)
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研究分担者 |
福長 将仁 福山大学, 薬学部, 助教授 (20132483)
田口 泰子 科学技術庁, 放射線医学総合研究所, 主任研究官 (50163366)
藤井 太朗 国立遺伝学研究所, 助教授 (90000249)
佐藤 孝二 名古屋大学, 農学部, 教授 (60023420)
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キーワード | 環境化学物質 / 代謝的活性化 / 遺伝子影響 / チトクロームP-450 / 高等植物 / 鳥類 / 魚類 / 酵母 |
研究概要 |
自然生態系における環境化学物質の代謝により、それら生態系自体,及び、我々人体への影響を調べている。高等植物における環境化学物質の活性化に関与する酵素系としてP-450を考えてきたが、動物の肝ミクロソームの薬物代謝系に匹敵するものが植物の系に存在せず、植物のP-450は基質特異性が高く、種々の化学構造をもった環境化学物質の代謝にP-450のみで対処できるとは考えられない。東は、ブロッコリーのミクロソームを用いてアフラトキシンB1の変異原性物質への代謝を検討したが、動物の肝ミクロソームのP-450の阻害剤では、約25%位した阻害されず、しかも、モノオキシゲナーゼ活性に必要なNADPH依存性も低いことから、P-450も関与しているが、他にペルオキシダーゼや脂質の過酸化物なども関与していることが予想された。藤井は、ダイズの体細胞変異の系を用い、放射線増感剤として用いられたこともある3'-デオキシアデノシンが変異原性をもつこのを見出した。ことダイズの体細胞変異の誘発頻度から、劣性突然変異の頻度の推定も可能であり、エチルメタンスルフォネイトを用いて、処理世代の体細胞突然変異と、次代での劣性突然変異を調べ、遺伝的変異として、子孫に引き継がれることを明らかにした。田口は、メチルアゾキシメタノール酢酸で処理するとメダカに肝がんが発生するが、近交系のメダカの株で、この肝がんの発生率に差のある純系を確立したが、これらのメダカで肝のP-450を調べると、肝がんの発生率の高いHO4Cメダカ株では約50%P-450量が高かった。メダカの肝のP-450は、PCBによって誘導がかからないという興味ある知見も得られた。福長は、アクリジンの誘導体でサルモネラTA1537の変異原性を調べたところ、細菌細胞内でさらに代謝される可能性を示唆する知見を得た。佐藤は、ドバトの重金属汚染を調べ、Pb,Cdなどに関しては、地区の汚染が良く投影されており、P-450への影響が予想される結果を得た。
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