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1986 年度 実績報告書

酸性湖沼および河川の生物地球化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61030084
研究機関国立公害研究所

研究代表者

佐竹 研一  公害研, その他, 研究員 (50101051)

研究分担者 角野 康郎  神戸大学, 教養部, 助手 (90127358)
宮崎 龍雄  筑波大学, 生物科学系, 講師 (80142230)
高松 武次郎  国立公害研究所, 水質土壌部, 室長 (60109915)
キーワード酸性湖 / 酸性河川 / 水性植物 / 光合成 / 物質循環
研究概要

本研究では酸性湖沼および河川における物質代謝系を調べるため、生物,水質,底質の研究を行った。本年度の主な調査対象湖沼および河川はpH3.4-3.8の恐山湖およびpH4・2-4.6の頭無川である。
〔結果〕恐山湖および頭無川では蘇苔類が主要な基礎生産者であるが(恐山湖:Drepanodaduc fluitans、頭無川:Jungermannia vulcanicola、Scapania nudulata D.fluitaus)、これらの蘇苔類には多くの海藻が付着し共に光合成を行っている。恐山湖のD.fluitansに付着している海藻としてはEunotia lunaris.var.intermediaがその90%以上を占め、頭無川のJ.uolcanicolaやS.undulataに付着する海藻としてはEunotia lunarisとEunotia lunaris var.subarcuataが全体の90%以上を占めて付着海藻としてのEunotia属の重要性が明らかとなった。このような蘇苔類と海藻によって構成された系について、現場で【^13CO_3】および【^15NO_3】、【^15NH_4】の取込みを行なわせ、四重極質量分析計を用いて測定し有意な取込みが確認された。走査型および透過型電子顕微鏡を用いて蘇苔類の分解過程における微生物の関与を調べた結果は、J.volcanicolaやS.undulataの茎葉体がバクテリアによって分解されることならびにD.fluitansの茎葉がバクテリアと糸状菌によって分解されることを示していた。さらに恐山湖の現場調査およびD.fluitansを主体とする生物系の分解実験の結果は、酸性条件にもかかわらず硫酸還元が行なわれつづいてメタン生成も行なわれることを示していた。酸性湖沼における硫酸還元は酸性水の生物活動による中性化である。ICP発光分光分析装置およびけい光X線分析装置を用いた恐山湖の水、蘇苔類、底質の分析結果の中では底質中に火山起原のAsやSが極めて多く、Asの量は0.45〜2.6%に達していた。恐山湖では生物活動に伴い無機能のAsの有機化も生じている可能性があるので今後検討する必要がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tatsuo Miyazaki;Kenichi Satake: Hydrobiologia. 124. 29-34 (1985)

  • [文献書誌] Kenichi Satake;Keiko Shibata: Hikobia. 9. 361-365 (1986)

  • [文献書誌] Kenichi Satake: Hydrobiologia.

  • [文献書誌] 佐竹研一,大八木昭: 日本蘇苔類学会会報. 4. 97-98 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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