研究課題/領域番号 |
61035024
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
原科 幸彦 東京工大, 工学部, 助教授 (20092570)
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研究分担者 |
新井 潔 東京工業大学, 工学部, 助手 (20167977)
木谷 忍 東京工業大学, 工学部, 助手 (20169866)
熊田 禎宣 東京工業大学, 工学部, 教授 (50016482)
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キーワード | 環境計画 / 地区計画 / 住民参加 / 計画理論 / 環境評価 / 住民意向調査 |
研究概要 |
地区レベルでの環境計画は、住民の居住環境評価や計画参加意欲を的確にとらえ、住民参加を通して行う必要がある。そこで、本年度はまず本研究者らが実施した実験結果をもとに、住民意識調査において付加情報が住民の回答に与える影響を分析し、情報量が増大すると個人の回答が安定化することを示した。また、付加情報の形態として対話型メディアの有効性を確かめるために、グループ討議による認識の変化と電算機支援教育システムCAIによる学習効果を測定した。その結果、このような対話型メディアが対象についての認識を深めることが確認された。以上より、住民意識調査における付加情報提供の効果が示され、調査の際グループ討議やCAI等を用いて付加情報提供を行う対話型調査システムの有効性が示唆された。 次いで、居住環境計画における住民参加システムの持つべき条件を明らかにするために、建築協定実施地区においてその運営委員会活動を中心に調査した。その結果、運営委員会活動の規定要因として、入居時における住民の協定に関する知識の有無と、組織的基盤の強さが重要であることが示された。これより、環境計画における住民参加システムは、住民が環境保全行動を行う上での各種の知識を得るために十分な学習機構を備え、自治会等の既存組織との連係を強くする必要があることが明らかになった。 最後に3年間の研究成果を踏まえて、環境計画プロセスにおける住民意向反映手法を住民意向調査と住民参加という2点から整理した。住民意向調査では、主観的判断の差が大きい街並景観評価のためのスライドを用いた10点評価法や、対象を明確化するための付加情報を用いた調査法を体系化した。また住民参加では、計画案理解促進のための会議形式の情報交流を体系化し、地区による住民の居住環境保全行動のメカニズムの違いや組織的基盤を考慮することの必要性が示された。
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