研究課題/領域番号 |
61035031
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
巽 紘一 京大, 医学部, 助教授 (30131022)
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研究分担者 |
宮越 順二 京都大学, 医学部, 助手 (70121572)
内山 卓 京都大学, 医学部, 助手 (80151900)
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キーワード | リンパ芽球様細胞 / 彷徨試験 / 遺伝子突然変異 / マイクロウェル / タイトレーションプレート / インターロイキン2 |
研究概要 |
Bリンパ芽球様細胞株を材料に選び、マイクロタイトレーションプレートを利用した彷徨試験を行って、変異原2次スクリーニングとしての新しいin vitro検出系の確立を目指した。正常人由来細胞でチミジンカイネース座位のヘテロ欠損株であるTK6ではbenzo(a)pyrene(BP)単独処理により、生存率、突然変異頻度共に影響をうけず、aryl-hydrocarbon hydroxylase(AHH)活性に乏しいと考えられたが、S9-mix存在下ではBPにより6-thioguanine抵抗性(TGr)、trifluorothymidine抵抗性(TFTr)が誘発された。 紫外線(UV)の突然変異誘発作用に超高受性を示す相補性A群色素性乾皮症患者由来細胞株XP7NIではS9-mix存在下に0.1μMのBP低濃度でも自発突然変異の10倍以上の新たなTGr変異が誘発され、この細胞株がUV型変異原の検出に極めて有用である事が明きらかとなった。 消化性潰瘍の治療薬であるH2ブロッカーのシメチジンは単独ではTK6細胞に対し細胞致死作用を示したが、突然変異は誘発しなかった。 しかし予めシメチジンを1M塩酸の存在下に10mM亜硝酸ナトリウムと1時間incubateした場合にはTK6に対する細胞致死作用の増強とTGrおよびTFTr変異の強い誘発が認められた。排卵誘発剤クロミドおよび農薬パラコートは何れもTK6細胞の3つの座位で変異原性を示さなかった。 IL2を用いたTリンパ球クローニングにより末梢血中の6チオ・グアニン抵抗性(TGr)突然変異体の検出を試みたが、寛解維持中の悪性リンパ腫患者やmelphalan投与が行われている多発性骨髄腫患者では正常人対照にくらべてTGrTリンパ球存在比が高値をとる例が多く、制がん治療が生体内で体細胞の遺伝子突然変異を誘発する可能性が示唆された。
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