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1986 年度 実績報告書

琵琶湖水系におけるトレース量元素の動態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61035035
研究機関京都大学

研究代表者

松井正和 マサカズ  京大, 化学研究所, 教授 (90027037)

研究分担者 杉山 雅人  京都大学, 化学研究所, 教務職員 (10179179)
木原 壯林  京都大学, 化学研究所, 助教授 (60161543)
キーワード琵琶湖 / トレース量元素 / 前濃縮法 / 溶媒抽出 / ジチオカルバメート / ジチゾン / 誘導結合プラズマ発光分析法
研究概要

本研究では、トレース量元素の前濃縮分離法の開発と琵琶湖水系における静態、動態の解明との二点を併行して研究した。前濃縮分離法の開発については、溶媒抽出法と有機吸着樹脂を用いる方法を検討した。有機吸着樹脂を用いる方法は、現在、基礎実験の段階であり、有用な成果はまだ余り得られていない。溶媒抽出法では、ジチオカルバメートあるいはジチゾンを抽出試薬に用いる方法を検討し、十数元素の同時濃縮を可能とした。琵琶湖水系におけるトレース量元素の静態、動態については、毎月1回の定点観測を北湖で水深別に1地点、南湖で表面水のみ2地点で行い、水平分布、垂直分布を明らかにし、その静態、動態の解明を試みた。
1.溶媒抽出法による前濃縮分離法、誘導結合プラズマ発光分析法を定量手段に用いる250倍の多元素同時高濃縮分離法を検討した。ジチオカルバメート抽出では、酢酸-2-エチルヘキシルを溶媒に用い、アンモニウムテトラメチレンジチオカルバメート・ジベンジルアンモニウムジベンジルジチオカルバメート混合系によりAs,Se,Mo,Zn,Cd,Ni,Co,Sn,Fe,Cr(【VI】),Pb,V,Cuの13元素、及びMn,Cr(【III】)の2元素の同時濃縮を可能とした。また、ジチゾン・1-フェニル-3-メチル-4-ベンゾイルピラゾル-5-オン混合系では、溶媒に安息香酸エチルを用いNi,Cd,Cu,Fe,Co,Be,Zn,Pb,Zr,Sb,Sn,Ti,Alの13元素が同時に濃縮できることを明らかにした。
2.トレース量元素の静態、動態の解明、誘導結合プラズマ発光分析法により、湖水中の主要元素、トレース量元素の測定を行った。前濃縮にはジチオカルバメート抽出を用いた。Baは停滞期末期に北湖底層水で減少する傾向を示し、Mn酸化物などにより吸着除去されていると考えられる。逆にMnは底層で増加し溶出が起こっているが、Cu,Mo,Vなどはほぼ一定の垂直分布を示し、溶出や吸着除去の影響は小さい。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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