研究課題/領域番号 |
61040034
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
越島 哲夫 京大, 木材研究所, 教授 (00109068)
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研究分担者 |
桑原 正章 香川大学, 農学部, 教授 (40035978)
沢田 達郎 金沢大学, 工学部, 教授 (80019728)
笹谷 宜志 北海道大学, 農学部, 教授 (80001410)
原納 淑郎 大阪市立大学, 工学部, 教授 (20046816)
善本 知孝 東京大学, 農学部, 教授 (40011837)
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キーワード | マイクロ波加熱 / 平行複発酵 / 爆砕 / UCT溶剤 / フェノール耐性酵母 / マングローブ胎生種子 / リグニンの液化 / ウラスギ / パラコート処理 |
研究概要 |
本研究は未利用材を原料とし、物理化学的、生物的前処理法を用いてこれらからアルコールならびに液状炭化水素などの燃料物質を取得することを目的とする。〔1〕リグノセルロースの糖化と発酵〔越島哲夫、沢田達郎、桑原正章、原納淑郎、善本知孝、柳田藤治〕:連続式マイクロ波加熱装置により前処理したアカマツ、ブナを糖化・発酵させ、最適条件を求めた。アカマツでは平行複発酵が適し、加熱原料1Kg当り95%エタノール149mlがえられ、ブナでは逐次発酵がよく、248mlを与えた。カラマツ爆砕生成物の平行複発酵により、2.55MPa、4.51MPaのいずれの場合も高いアルコール収量がえられた。アルカリ処理したエゾマツ樹皮の酵素糖化・アルコール発酵により、糖化率40〜45%発酵収率75〜85%をえた。UCT溶剤前処理バガスをエタノールに転換するとき、非イオン性界面活性剤の添加は洗浄効果を高め、水洗浄で十分であった。フェノール耐性をもつ酵母8種を選抜し、これらによりスギ内樹皮から0.7〜1.0%濃度のアルコールがえられた。マングローブ胎生種子のリグノセルロースを酵素糖化するための前処理としてはマイクロ波加熱が最適であった。〔2〕リグニンの液体燃料化〔笹谷宜志〕:リグニンの液体燃料化には分子量の低いソルボリシスリグニンが適しており、液化のためのハイドロクラッキングは450℃、水素初圧20Kg/【cm^2】 触媒として酸化鉄または酸化鉄・アルミナが最適であった。〔3〕精油ならびに樹脂の利用〔住本昌之、後藤輝雄〕:山蔭から秋田に及ぶウラスギの代表的クローンにつき検討した結果、前年度を上まわる高精油含量の品種、富山101(4.5%)鳥取102(4.6)鳥取104(4.8%)がみいだされ、これらの値は8〜9月に集中した。20年生アカマツをパラコート処理し、8月に伐採したものを700℃で熱分解した。処理点上方50cm幹部では中性油9.6%、酸性油22.2%、発熱量は平均6000KCal/kaであった。
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