研究概要 |
62年度は, 61年度の研究をさらに進めて, マイクロ構造面発光レーザを実現する上で基盤技術となる3次元微小ヘテロ構造の形成技術を確立するとともに, 2次元並列積層光集積回路を実現するための基礎データを蓄積し, 以下の結果を得た. 1.湿式化学エッチング法と液相成長法を用いて, 再現性良く直径10μm程度の微小活性領域を形成する技術を確立した. また, 61年度購入の反応性イオンビームエッチング装置を用いて, 直径μm程度の微小円形メサの形成技術を確立し, メルトパック法を用いた液相成長法により良好な埋込みヘテロ界面の形成が可能であることを実証して, 最終目標である波長の数倍程度までの活性領域の微小化を見通しを得た. 2.表面の平坦性に優れた有機金属相成長法を導入し, 温度230KまでのGaALAs系面発光レーザの連続動作を実現した. さらに, 多重量子井戸構造面発光レーザの検討を行い, 極低しきい値化の可能性を示すとともに多重量子井戸への横方向電流注入法についての知見を得た. 3.半導体多重膜反射鏡を用いたGaAIAs/AIAsDBR型面発光レーザの発振を初めて実現するとともに, 2次元アレー素子および光変調器を製作し, 2次元並列積層光集積回路のしめの基本的データを得た. これまでの研究成果により, マイクロ構造半導体レーザと基礎的な2次元積層光集積回路の実現のための準備がほぼ整ったと考えられる. さらに, 昭和62年ど購入の高真空化学ビーム成長装置の整備をほぼ終了したので, 超平坦結晶の成長ならびに多重量子井戸構造の成長条件を明らかにして, 表面の超平坦化によるマイクロ構造半導体レーザの高性能化と積層型の光機能素子の開拓を進める予定である.
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