研究概要 |
二重ベータ・ガンマ核分光器ELEGANTSV号(Electron Gammaray Neutrino Spectrometer)の開発と製作, 総合テスト及び神岡鉱山地下1000mの地に二重ベータ崩壊測定様核分光実験室建設が行われた. 1.ベータ線飛跡測定様ドリフトチェンバー(100cm×100cm×20cm)の製作・テストが行われ必要とされる性能(低バックグラウンド, 高効率, 安定作動)が得られた. 2.ベータ線エネルギー測定用プラスチック蛍光検出器系(100cm×10cm×1.5cm×20枚)とガンマ検出器用NaI(100cm×10cm×10cm×20ヶ)について, 基本性能テストと製作が行われた. 十分な低バックグラウンド化と高分解能の性能を得た. 3.^<100>Ma濃度同位元素230grが入り, 化学操作で天然放射性元素ウラニウムとトリウムの除去(0.5ppb)以下に成功した. 4.全検出器系をシールドする無酸素銅及びシールドが完成した. 全系の架台が完成した. これは開閉可能な可動装置がつけられている. 5.検出器からの信号の測定回路, データ取込み用計算機系及びデータ取込みプログラムが完成し, テストが行われた. 6.全検出器系の総合性能テストのためのモンテカルロプログラムが整備され, 種々の検出器についての性能(効率, 分解能, 応答回数等)が求められ, 当初の性能を示すことが明らかにされた. この結果, ニュートリノ質量項について測定可能半減期2.5×10^<23>(0.35eV)が得られた. 世界最高値. 7.神岡地下1000mに二重ベータ崩壊測定用の核分光実験室(7m×7mと4m×3m)が建設され, 主要ハードウェアはこの実験室に設置された. 8.現在各検出器の最終性能チェックと総合テスト中で, 間もなく神岡地下実験室で測定開始の見込み.
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