研究分担者 |
柴田 徳思 東京大学, 原子核研究所, 教授 (80028224)
渡辺 隆行 東京大学, 理学部, 助手 (80202414)
大隅 秀晃 大阪大学, 理学部, 助手 (70176882)
佐野 弘和 大阪大学, 理学部, 助手 (00205999)
岡田 憲志 京都産業大学, 計算機科学研究所, 助教授 (90093385)
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研究概要 |
1. 超高感度素粒子核分光器ELEGANTS(ELEctron GAmmaーray Neutrino Spectrometer)III,IV,V号が開発製作された。二重ベ-タ崩壊等の稀崩壊測定により、標準理論とそれを超える理論(大統一理論等)の検証、物理的基本法則の検証、ニュ-トリノの質量、未知素粒子の探索等の研究が発展させられた。 2. ELEーIIIを用いて^<76>Geの0^+→0^+と0^+→2^+のニュ-トリノを伴わない二重ベ-タ崩壊(Onubetabeta)についてt>0.7×10^<23>年(y),t>0.6×10^<23>yの半減期tの下限値を得た。前者は当時(1986年)の世界水準と同程度で、ニュ-トリノ(nu)の質量の上限値mnu<4eVを与えた。後者は当時の最も厳しい値で、右巻弱カレントの制限を与えた。 3. ELEーIV号によって、^<100>Moのニュ-トリノを伴う二重ベ-タ崩壊(2nubetabeta)についてt>5.4×10^<18>yを与え、当時(1989年)の最も厳しい下限値を与えた。 4. ELEーV号によって、直接計数法単独の測定としては世界で初めて^<100>Moの2nubetabetaのtの測定に成功し、t〜1.5×10^<19>yを得た。この値からOυββの核行列安素が得られた。Onubetabetaについては最も厳しい下限値t>0.6×10^<22>yが得られた。このことは、m_<nu><6eVを意味し、^<76>Geの結果と並んでニュ-トリノが暗黒物質とはなり得ないことを示した。 5. ELEーV号はOnubetabetaの半減期について10^<23>y、m_<nu>についてm_<nu><1eV領域の検証が可能であることを示した。 6.ELEーIIIにより、ストレンジネス変化DELTAS=2の二重弱崩壊NN→H(uuddss)の半減期の下限値t>10^<20>〜10^<22>yを得た。計算値の比較からH粒子は理論的可能値に反し、2m_N(1875MeV)以下には存在しないことを示した。 7. ELEーV号の内0.77トンのNal検出器を用いて、電荷非保存核励起の半減期の下限値t>0.6×10^<23>y,弱ボゾンと光子媒介電荷非保存分岐の上限値として各々3×10^<ー25>,1.5×10^<ー40>を得た。K電子消滅ないしパウリ禁止L→K遷移X線の半減期の下限値3.2×10^<23>y(preliminary)を得た。これらは、電荷保存則の最も厳しい検証を与える。 8. スピン結合する宇宙暗黒物質について、新たな領域を排除した。
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