研究概要 |
1.史科所在調査および収集. 61年度より実施している全国の近世人口関係史料所在調査は, 第2次アンケートの回答整理, 所在地図の作成を行い, また, 都内各機関の所蔵する史料を含めて, 対象とする江戸時代の町村を示す所在地図を完成した. これにもとずき, 福島県二本松市, 長野県飯田市, 兵庫県高砂市, 新潟県寺泊町, 新潟市に史料調査を実施した. 2.史料整理・マイクロフィルムから基礎シートの作成は, 収集済の奥州郡山周辺の農村史料について行なったが, 本年度の実施作業において, 6年ごとに作成されている原史料から, 毎年の状況を記載するシートの作成を行うことに成功した. これにより, 幕府の人口調査年(子午年)に合わせて調査を行っている諸藩の史料を, 毎年調査されている場合と同様に取扱うことが可能となり, 史料利用の範囲が大きく拡大した. 3.機械読取可能シートおよびデータ入力プログラム, データベース作成プログラムの作成. 前年度に続いて, 年代シート, 地名シート, 町村シート, 料シート, 個人経歴シート, 年齢シート, 世帯シート, の7種類の機械読取シートのフォームを完成し, 前年度購入した富士通K-270オフィスコンピューターへの入力プログラム, 一部の中間データ・ベースファイルプログラムを完成した. 4.データ入力. 上記の完成にともない, まず奥州郡山附近農村のデータ入力を開始し, 安積郡日出山村の入力を終わり, プログラムのテストを行った. 5.全国地名コード(地名シート)の作成, 前年度に引き続き, 江戸時代の地名を緯度・経度等の地理的属性, 支配・石高等の歴史的属性を記入するデータベースの作成で, デジタイザの導入によって, 作業はかなり省力化されたが, 高度の読み取りが手作業であるため, 濃尾地方の一部および, 奥州郡山周辺のみにとどまった.
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