研究課題/領域番号 |
61107006
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
吉岡 亨 横浜市大, 医学部, 助教授 (70046027)
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研究分担者 |
藤田 忍 群馬大学, 医学部, 助教授 (30092323)
林 博司 名古屋大学, 理学部, 助教授 (00022608)
桐野 豊 九州大学, 薬学部, 教授 (10012668)
野沢 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
阿部 輝雄 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (50010103)
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キーワード | ホスファチジルイノシトール2リン酸の加水分解 / ホスホリパーゼC / Caチヤネル阻害毒 / Caチヤネルの分類 / Caチヤネルの機能 |
研究概要 |
情報伝達に関与する分子を検索するには、(1)突然変異を用いる方法、(2)モノクローン坑体を用いる方法、(3)毒を用いる方法など3種類の方法が有効である。我々は以上3種類の異なった方法をそれぞれ適当な細胞や組織及び個体等に適用することにより以下に述べるような情報伝達に寄与する分子の単離・同定・機能の検定等を行なった。 1突然変異を用いる方法 (1)ショウジョウバエ視覚突然変異を用いて、情報伝達機構の異常を調べた結果、ホスファチジルイノシトール2リン酸(PI【P_2】)を分解する酵素であるホスホリパーゼCと、ジアシルグリセロール(DG)をリン酸化するDGキナーゼの2つの酵素が視覚情報の伝達に不可決であることが分かった。ゾーリムシの行動異常突然変異を用いてCaチヤネルの機能発現に関与する7個の遺伝子を見出した。このチヤネルは動物細胞のそれとは全く異なる。 2抗体を用いる方法 (1)PI【P_2】の抗体を用いてラット網膜の光照射に対する効果を調べた結果、PI【P_2】の分解が他の反応に先行して起ることが分かった。(2)神経細胞のモノクローン抗体を用いていくつかのニューロンに特異的な抗体を得た。(3)アフリカツメガエル胚を材料として、各分化形質を定量的に同定し得るモノクローン抗体がいくつか得られた。 3毒を用いる方法 沖縄産アンボイナ貝より得られたw-コノトキシンは、脳神経系のCaチヤネルを特異的に阻害することが判った。この毒により抑制されるCa電流は、tタイプ(一過性型)ではなくl(継続型)及至n(tでもlでもない型)タイプであることが分かった。この毒が27個のアミノ酸であることが判ったので、これをペプチド研究所と共同で合成を試み、世界に先駆けて成功した。この合成毒を利用して(1)Caチヤネルタンパクの同定(2)分泌現象に於けるCaチヤネルの役割、(3)毒の作用機序、等を解明する研究が新たに展開中である。
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