研究課題/領域番号 |
61108005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井村 裕夫 京大, 医学部, 教授 (10025570)
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研究分担者 |
宮本 昭正 東京大学, 医学部, 教授 (80010239)
竹田 俊男 京都大学, 結核胸部疾患研究所, 教授 (00027088)
坂本 信夫 名古屋大学, 医学部, 教授 (70023760)
家森 幸男 島根医科大学, 教授 (80025600)
木村 修一 東北大学, 農学部, 教授 (70005586)
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キーワード | 老化 / 循環器疾患 / 血栓 / 糖尿病 / 血清脂質 / 食物アレルギー |
研究概要 |
老化に及ぼす栄養の影響をin vitro及び老化モデルマウスで検討した。まず試験管内老化細胞では脂質過酸化が亢進しており、抗酸化剤はこれを軽減した。また細胞内の酸化反応を抑制するアスコルビン酸の新しい代謝産物の生物活性を調べた。また老化モデルマウスでは食事制限により免疫機能の維持、リポ蛋白異化抑制などにより老化が防止されることを明らかにした。次に循環器疾患と栄養の関係については、まず脳卒中モデル動物において活性線維がマトリウムを吸着して卒中を防止しうること、パルミトオレイン酸も血管壁代謝に影響して卒中の発症に好影響をもたらすことを認めた。またエイコサペンタエン酸(EPA)は血栓症を減少させるとされているが、EPAの脳卒中ラットに対する効果は食事中の蛋白の種類によって異ることを明らかにした。また血栓症を防止する食物中の成分について検討を加え、レチノールがプラスミノゲンアクチベータ産生を促進し、この作用に蛋白のリン酸化が関与していることを認めた。次に糖尿病と食事の関係については、少量のストレプトゾトシンによるインスリン非依存性糖尿病の発症が高蛋白食で改善されること、ポリデキストロースも血糖値、血清脂質を改善することを明らかにした。また糖尿病の合併症の発症に神経内のポリオール代謝の活性亢進とミオイノシトールの減少が関与しており、アルドーズ還元酵素阻害剤が改善することを認めた。また脂質代謝の面ではリポ蛋白の異化にタウリンとコレステロールが影響することを示唆する結果を得た。また摂食習慣や食物中蛋白質が副賢皮質ホルモンの動態に及ぼす影響の機構について研究し、室傍核のカテコラミンが重要な役割を演じていることを示す成績を得た。更に卵アレルギーにIgE,IgG抗体の役割と栄養の影響を検討した。アレルギーにIgE、IgG1抗体が関与すること、栄養はIgE抗体価に影響しないことを認めた。
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