研究概要 |
三雲らは、【i】物質通過後の重イオンの荷電状態分析用の電磁石系と真空槽・真空系を完成した。次年度に排気系その他を整備・購入して分析系全体を実験に用いる段取りになっている。【ii】高エネルギーCl,FイオンのC薄膜通過後の非平衡領域における荷電分布の衝突係数依存性をしらべ、有意の依存性を実証した。【iii】F+C系の非平衡領域における、重イオンのエネルギー損失とそのゆらぎに関する系統的研究を発展させた。【iv】S+Cu系で、核融合反応に伴って放出されるKX線の同時測定と元素の同定に成功した。 小牧らは、【i】【Cl^(7+,8+)】+C系で、励起された【Cl^(8+)】イオンのビームフォイル分光を行い、波長30-440【A!゜】のスペクトル線について波長同定と寿命決定を行った。【ii】DTS法をSi〜Clに適用し、X線領域での寿命測定を始め、Clについては従来の値と一致する結果を得た。 塩見らは、【i】65MpV陽子のCu箔によるエネルギー損失の射出角依存性を調べた。この結果が箔の厚さの不均一性によると仮定しての計算を行った。より均一性のよいCu箔による測定を予定している。【iii】同様の実験を組織等価プラスチックで行い、阻止能のBragg加算則との一致を得た。 北原らは、He,C,O,Brイオンに対するSi検出器の立ち上がり時間とイオンエネルギーの相関測定から、プラズマ時間と阻止能の関係を求めた。 北川らは、【i】局所的な電子分布の系に適用できる誘電関数理論の発展から表面電子分布を一次元的に発展できる阻止能公式を導出し、【ii】誘電関数理論を固体内での電荷移行過程に適用し、電子損失断面積を導出した。
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