研究課題/領域番号 |
61113002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
苣木 浅彦 東北大, 理学部, 教授 (80035013)
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研究分担者 |
阿部 宏 宮城教育大学, 研究施設, 教授 (70006427)
島 敞史 山口大学, 工学部, 教授 (70035038)
林 謙一郎 東北大学, 理学部, 助手 (40124614)
北風 嵐 東北大学, 理学部, 助手 (90035064)
上野 宏共 東北大学, 理学部, 助教授 (50004354)
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キーワード | 輝銀鉱の溶解度 / 閃亜鉛鉱の溶解度 / 銀チオ錯体 / 亜鉛チオ錯体 / 硫黄同位体交換平衡 / 硫黄同位体の分配 / 硫化鉱物の熱水合成 |
研究概要 |
1.熱水溶液中における硫化鉱物の溶解度に関する研究 合成輝銀鉱(【Ag_2】S)及び閃亜鉛鉱(ZnS)の【H_2】S-NaOH-【H_2】O系熱水溶液中での溶解実験をバーンズ式溶解度測定装置を用い、25℃〜30℃、1〜110気圧、溶液のpH3〜12及びNaHS濃度1〜4nの条件で行なった。これらの溶解度の測定結果と計算から、熱水溶液中の銀の溶存種は【Ag_2】【(HS)_2】、【Ag_2】【(HS)_3】、【Ag_2】(HS)4及び【Ag_2】S【(HS)_2】などの銀チオ錯体であると考えられる。これらの溶解反応の平衡定数は温度に対し連続的に大きくなることが判った。一方、ZnSの溶解度より、上記熱水溶液中における亜鉛溶存種の形状を考察した。その結果銀と同様にZn【(HS)_2】、Zn【(HS)_3】、Zn【(HS)_4】及びZnS【(HS)_2】などのチオ錯体が安定であることが判った。これらの実験結果、溶存銀及び亜鉛量は温度のみでなく、pH及び全硫黄量によっても大きく変化することが明確となった。 2.熱水溶液一硫化鉱物(閃亜鉛鉱)間の硫黄同位体の分配に関する研究合成閃亜鉛鉱を温度250℃〜400℃、圧力20〜300気圧の条件下で、NaCl-HCl系水溶液中に溶解させ、水溶液中に溶存する硫黄種(【H_2】S)と閃亜鉛鉱間の硫黄同位体分配に関する実験を行ない、その結果、閃亜鉛鉱と【H_2】S間の硫黄同位体比の差は従来報告された値(理論計算値)に近似するが、より直線に近く、やや勾配の大きい値がえられた。また閃亜鉛鉱とNaHS溶液との硫黄同位体交換反応実験も行ない、上記の閃亜鉛鉱-【H_2】Sとは逆の傾向を示すことなど、新らたな知見がえられた。 3.硫化鉱物の熱水合成と鉱物組合せ間の硫黄同位体分配 温度勾配運搬法により閃亜鉛鉱-方鉛鉱組合せを熱水合成し、両鉱物間の硫黄同位体の分配の温度依存性について検討した。両鉱物間の硫黄同位体比の差は温度降下に伴なって増加し、その勾配は従来の値とほぼ一致した傾向を有する。
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