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1986 年度 実績報告書

神経制御物質の探索とその作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 61118002
研究機関京都大学

研究代表者

高木 博司  京大, 薬学部, 教授 (60025674)

研究分担者 小幡 邦彦  群馬大学, 医学部, 教授 (60013976)
三木 直正  金沢大学, がん研, 教授 (40094445)
萩原 彌四郎  千葉大学, 医学部脳研, 教授 (10009079)
宇井 理生  東京大学, 薬学部, 教授 (50001037)
野々村 禎昭  東京大学, 医学部, 教授 (80009993)
キーワード神経制御物質 / キョートルフィン / 摂食抑制物質 / 睡眠物質 / 神経突起伸展因子 / モノクローナル抗体 / NGF
研究概要

神経制御物質と呼ばれる物質群の中には、神経間の機能的あるいは形態的制御を行っている。ペプチド、糖タンパク、有機酸さらには未同定の物質が含まれている。本研究班においては、機能面においては痛覚、睡眠、摂食制御といった生理機能と密接に関連のある物質作用を細胞内機序を含めた解析とともに、形態面でにおいてはシナプス形成因子及び細胞接着物質の同定、神経成長因子の調節機構の解明などを行った。(1)鎮痛ペプチド・キョートルフィンの合成酵素の研究から、律速因子としてのアルギニン投与がキョートルフィン合成を促進し、同時に鎮痛作用を示すことを明らかにし、キョートルフィンの疼痛制御における役割を強く示唆した。(2)内因性の摂食抑制物質としての有機酸の2-DTA及びその誘導体LHAの摂食行動の低下及び視床下部ニューロン活動の低下を示した。(3)部分精製したアデニレートシクラーゼを用いIAP基質による活性抑制の分子機構を明らかにした。(4)小脳から精製した【Ca^(2t)】結合蛋白質がビタミンD依存性であることを確かめた。(5)精製した神経突起伸展因子(NOF)のモノクローナル抗体を用い、発生過程におけるNOF応答性低下とNOF蓄積増加とが相関することを見いだした。(6)第2翼羽開張筋や骨格筋の条件培養液中に、それぞれ特定の神経細胞を強くくっつける物質が存在することを明らかにした。(7)マウス線維芽細胞におけるNGF合成をカテコールアミンが強く促進することを見いだした。(8)神経系の発生過程に関与する因子を研究するため、神経冠細胞のマーカー物質をモノクローナル抗体法にて同定した。以上の様に、神経制御物質と呼ばれる物質群は、それぞれ特有の神経生理機能を制御し、またあるいは神経間の形態変化及び成長に重要な役割を担っていることが明らかになった。さらに生理機能に変化を及ぼす物質が形態変化をひきおこすなど、多様な神経制御機構の一部が明らかにされた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Ueda;Y.Yoshihara;H.Takagi: Biochem.Biophys.Research Communication. 137. 897-902 (1986)

  • [文献書誌] Y.Oomura: Brain Research Bull.17. 551-562 (1986)

  • [文献書誌] S.Inoue: Brain Develop.8. 469-473 (1986)

  • [文献書誌] Y.Kidokoro;B.Brass;H.Kuromi.: J.Neurosci.6. 1941-1951 (1986)

  • [文献書誌] K.Obata;H.Nishiye;S.C.Fujita;T.Shirao;H.Inoue;K.Uchizono: Brain Research. 375. 37-48 (1986)

  • [文献書誌] T.Katada;M.Oinuma;M.Ui.: J.Biol.Chem.261. 5215-5221 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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