研究課題/領域番号 |
61122001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
都 福仁 北海道大学, 理学部, 教授 (10000837)
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研究分担者 |
永嶺 謙忠 東京大学, 理学部, 助教授 (50010947)
山崎 敏光 東京大学, 理学部, 教授 (80011500)
近沢 進 室蘭工業大学, 助手 (50150248)
村山 茂幸 北海道大学, 理学部, 助手 (10157802)
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キーワード | スピングラス / ミュオンスピン緩和 / ランダム磁性 / 相転移 / 磁化率 |
研究概要 |
スピングラスの平均場理論が発表されて以来、実験と理論の比較検討がなされ、スピングラスが相転移として理解されるようになった。磁気的な相図は理論の有効性を実験的に検討する適当な例である。一般の希薄合金のスピングラスの磁気的性質は平均場理論により定性的に説明されうるが、異方的スピングラスについての実験は理論的に予測される結果とは異っていた。その原因について十分理解されていなかった。本研究は質のよい試料を使用する事により実験結果が平均場理論による計算結果と定量的にも非常によい精度で一致する事を示した最初の例である。異方的スピングラスのハミルトニアンは〓=$$Σ!(ig)$$JijSiSj+D$$Σ!$$Si(^2_z)$$で与えられる。但しJijはi,jスピン間の交換相互作用でその分布関数はガウス分布で与えられると仮定する。Jijの平均値$$J!~$$ij=0また$$DSiz^2$$は結晶場による一軸性の異方性を表わす(D>O Ising型又はD<OXY型スピングラス)。Ising型スピングラスの場合、Z方向のスピン成分が$$Tg^(11)$$で凍結し、より低温の$$Tg^(Uertical)$$でZ軸に垂直なスピン成分が凍結する2段階の逐次相転移がO<D/J<$$D^+$$/J($$〜!_$$0.5)の範囲で生ずる事が示唆されていた(但しJ=$$√|(Jij^2)$$。これ迄多くの人達により実験的に研究されたが、いずれも2段階相転移が観測されなかった。この原因は局所的な磁性不純物の結晶場の主軸が結晶のC-軸から微か傾いたZig-Zagな構造を持つためであると考え比較的良質の単結晶が得られる$$Zn!_$$Mn単決晶を用いて研究した。Mn不純物を増加させる事によりD/Jを小さくする事ができ、2段階の逐次相転移を交流帯磁率及び$$Zn!_$$Mn中のinterstitial sitesに止った。$$μ^+$$中間子スピンの縦緩和(μSR)の温度変化により観測した。μSRの実験結果は植村達の方法により解析した。その結果Mnによる内部磁場に静的な部分があり$$Tg^(11)$$,$$Tg^(Vertical)$$で夫々異常を示すことが明らかとなった。夫々の転移温度$$Tg^(11)$$,$$Tg^(Vertical)$$で動的なcritical slowing down現象が始めて観測された。
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