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1986 年度 実績報告書

正ミュオンと物質表面との相互作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 61122002
研究機関筑波大学

研究代表者

谷川 庄一郎  筑大, 物質工学系, 助教授 (90011080)

研究分担者 永嶺 謙忠  東京大学, 理学部, 助教授 (50010947)
氏平 祐輔  東京大学, 工学部, 助教授 (40010805)
堂山 昌男  東京大学, 工学部, 教授 (40010748)
キーワード正ミュオン / ミュオニウム / 熱エネルギーミュオニウム / 低速正ミュオン / 表面解析法 / 正ミュオン・固体表面相互作用
研究概要

本研究では、低エレルギーの正ミュオン,ミュオニウムの発生法を開発し正ミュオンの物質表面での素課程を明らかにし、新しい表面解析法の基礎的整備を目的とした。固体中での正ミュオンの挙動の研究が進むにつれ、強力な低速正ミュオンビームを得る方法が種々提案されている。本研究ではこの中で、(1)高温加熱金属の表面における熱脱離を利用した熱エネルギーミュオニウムの発生とそのイオン化,(2)粉体あるいは多孔質ターゲットからの熱エネルギーミュオニウムの発生とそのイオン化,の2通りの方法を採り上げ、発生実験を行った。(1)では、金属ターゲットとしてタングステンを選定した。タングステンは高比重であること、水素の拡散定数,化学ポテンシャル,溶解エンタルピーが既知であることが、選定の理由である。これらの量から熱エネルギーミュオニウムの収率は、2〜3%と見積ることができた。クライオポンプ,ロックインアンプの入手により、強化された超高真空チェンバを用いて、300〜2800Kに加熱したタングステンからの熱エネルギーミュオニウムの収率を測定した。その結果、1000Kから発生が開始し、温度と共に収率は増加し、2200Kで飽和し、それ以上の温度では、逆に収率が低下することを見出した。高温域での収率の低下は、熱平衡原子空孔による正ミュオンのトラッピングによるものと説明できる。発生条件として、2200K付近が最適であることがわかった。その他に、酸素による表面処理,チェンバーの真空度等による収率の変化を調べた。(2)では、ターゲットとしてSi【O_2】粉末を用い、効率よく熱エネルギーミュオニウムを発生させることができた。さらに、これらの装置とパルス状高出力レーザー系との結合により、ミュオニウムの3光子吸収によるイオン化と、それによる低速正ミュオンビームの発生実験が進行中であり、61年度の所期の目的を達成することができた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] A.P.Mills,Jr.;J.Imazato;S.Saitoh;A.Uedono;Y.Kawashima;K.Nagamine: Physical Review Letters. 56. 1463 (1986)

  • [文献書誌] K.Nagamine;A.P.Mills,Jr.: Scientific Paper of the Institute of Physical and Chemical Researeh. 80. 67 (1986)

  • [文献書誌] K.Nagamine;A.P.Mills,Jr.: Proc.of the Workshop on Fundamentel Muon Physics:Atoms,Nuclei and Particles. LA-10714-C. 219 (1986)

  • [文献書誌] K.Nagamine: Proc.of the 10th International Conference on Atomic Physics(Tokyo,1986).

  • [文献書誌] S.Saito et al: UT-MSL Newsletter. 5. 17 (1986)

  • [文献書誌] S.Saito et al: UT-MSL Newsletter.

  • [文献書誌] 永嶺謙忠: "表面工学ハンドブック" 丸善, 4

  • [文献書誌] 谷川庄一郎: "核物性" 丸善, 250

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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