研究課題/領域番号 |
61122015
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
渡部 力 理研, その他, 研究員 (40010714)
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研究分担者 |
原 俊介 筑波大学, 物理学系, 講師 (10091919)
戸嶋 信幸 筑波大学, 物理工学系, 講師 (10134488)
石原 武 筑波大学, 物理工学系, 教授 (30111363)
島村 勲 理化学研究所, 原子過程研究室, 副主任研究員 (30013709)
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キーワード | ミューオン / 中間子 / ミューオン触媒核融合 / 原子過程 / 核融合 / クーロン3体問題 / 原子衝突 / ミュー原子 |
研究概要 |
μ中間子の関与する原子過程は、原子衝突問題の中でも特殊で学問的にも興味深いとともに応用上も重要である。他の原子過程と比べて際立った特徴は、μ中間子が原子核より軽く、電子より重い中間的な質量をもつことと、有限寿命を持つことに由来する。今年度の研究は以下の3種類に渡って行なわれた。 1.(【μ^+】【μ^-】)生成断面積の評価 大強度ミュー中間子ビームが東大中間子研究施設で得られるようになり【μ^+】【μ^-】原子の実現の可能性が出てきた。このような原子が作られれば、量子電磁力学の基礎的問題の解明に大いに貢献出来る。そこで衝突過程【μ^+】+(【μ^-】P)→(【μ^+】【μ^-】)+Pによって【μ^+】【μ^-】が作れるかどうか、その生成断面積をボルン近似,アイコナル近似,古典軌道モンテカルロ法によって評価し、【μ^+】【μ^-】生成の可能性があることを見出した。 2.ミュー中間子移動衝突断面積の評価 ミュー中間子触媒核融合で重要なミュー中間子移動過程(【μ^-】d)+t→d+(【μ^-】t)と(【μ^-】d)+α→d+(【μ^-】α)の断面積を古典軌道モンテカルロ法で評価した。この問題では普通の電子移動の問題のように移動粒子が十分軽いとする近似が成立せず、完全に3体問題としての複雑さを残している。古典論の範囲では数値的に正確に解けるので上記方法を試みた訳である。 3.ミュー中間子分子の変分計算 ミュー中間子触媒核融合の確率を大きくする機構に、dtμ分子の共鳴的生成がある。そこでミュー中間子を含む3体系(ppμ)の同位体のエネルギー準位を変分法で詳しく計算し、従来の結果よりも精度の高い結果を得た。
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