研究課題/領域番号 |
61124007
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
芝 哲夫 阪大, 理学部, 教授 (30028089)
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研究分担者 |
永井 克孝 東京大学, 医学部, 教授 (80072974)
日野 亨 千葉大学, 薬学部, 教授 (10009160)
小川 智也 理化学研究所, 主任研究員 (30087572)
池川 信夫 東京工業大学, 理学部, 教授 (50016119)
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キーワード | 細胞機能物質 / 化学合成 / MDP / リピドA / 内毒素 / 精子先体反応 / ステロイドサポニン / 複合糖質 / ムチン / グロボシド / スフィンゴシン / セラミド / 神経突起 / ガングリオシド / イノシトールリン酸 / 抗腫瘍環状ペプチド |
研究概要 |
生体機能特に細胞の示す種々の生理活性を化学的に解明するためにその活性物質の化学合成を中心として以下の研究を行った。 1.細菌細胞壁の免疫アジュバント活性の本体であるムラミルペプチドMDPの活性の質と強さを上げるために種々の誘導体の合成を行い、抗腫瘍活性を示すリン酸エステル誘導体、白血球増強作用を示すアシル誘導体などが合成された。また細胞壁の他の活性である内毒素の本体リピドAの種々の類似体などの合成が行われた(芝)。2.ヒトデの精子先体反応誘起作用を解明するため、まずその補助因子Co-ARIS【I】、【II】、【III】が分離され、ステロイドサポニンであるそれらの構造が明らかにされた(池川)。3.生体膜表面の機能物質としての複合糖質の中ムチン型糖蛋白質構造のアミノ酸と糖との結合について検討が行われた。また種々のグロボシドが合成された(小川)。4.生体膜成分のスフィンゴ脂質の構成成分スフィンゴシン、セラミドの新合成法としてニトロエタノールのアルドール縮合が研究された(日野)。5.神経突起の増生、伸展作用を示すガングリオシドGQIbについて構造一活性相関が研究され、ジシアロ構造が必要であることが分り、オリゴ糖部の活性の意義が明らかにされた。さらにGQIbの作用はプロティンキナーゼを介して発現することも分った(永井)。6.上記の1.の研究において合成されたリピドAを用いてリピドAが特異的に結合するタンパク因子が発見され、その性質が調べられた(岩永)。7.細胞内情報伝達系のセカンドメッセンジャーであるイノシトールリン酸およびその誘導体が合成された(尾崎)。8.海洋生物ホヤから単離されたチアゾールまたはオキサゾール構造を含む種々の抗腫瘍性環状ペプチドの合成が行われた(塩入)。
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