研究課題/領域番号 |
61125007
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 晃 阪大, 理学部, 教授 (80029404)
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研究分担者 |
斎藤 太郎 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90011006)
笠井 暢民 大阪大学, 工学部, 教授 (50028958)
諸熊 奎治 分子科学研究所, 教授 (40111083)
廣田 栄治 分子化学研究所, 教授 (30011464)
宮下 晃 埼玉大学, 工学部, 助教授 (90132729)
荻野 博 東北大学, 理学部, 教授 (00004292)
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キーワード | 有機金属活性種 / 有機金属化合物の構造 / ジエン錯体 / 有機金属錯体 / 分子設計 / 反応の理論的研究 / X線解析 / 高分解能分光法 / クラスター化合物 |
研究概要 |
本研究班では特に基礎的研究が必要とされている有機金属活性種に的をしぼり、最新の技術例えば高度な計算や分離精製技術を駆使して、分担者の得意とする分野にて下記の様な成果が得られている。遷移金属ジエン錯体については前周期のものとアクチニドのものについて理論的に詳しく調べ、それらの反応活性の電子的要因を明確とした。また安定な後周期ジエン錯体については、結晶をドービングして、電気的に活性化する機構を明らかにした(中村)。ジシラニル鉄錯体の光反応では、一酸化化炭素を脱離して反応活性の中間体として新しいシリレン錯体を生じる事を見出した(荻野)。新型のケテン錯体やオキサメタラシクロブタン錯体を有機金属による合成反応での中間体として単離し構造を調べた(宮下)。極端に反応性の高い小分子活性種、HBOやSi【H_3】をレーザー照射により発生させ、高分解能分光法でその構造を調べ、HBOではBΞOの様な三重結合性がある事をはじめて見出した(広田)。最も基本的な有機金属触媒であるウイルキンソン錯体による水素化反応での中間体を触媒サイクル全体にわたってab initio法で計算し、これまで推定されていた中間体の構造を非経験的に実証した(諸熊)。ジルコニウム・ジエンと二酸化炭素又はイソシアナートの反応で生ずる新しい錯体の分子構造をX線で解析し、ジエン部分がS-trans構造で反応した証処を得た。またはじめてのジエン・チタン錯体として【(C-5Me-5)-2】TiCl(【C_4】【H_6】)の分子構造も明らかにして、ジエンとチタンの結合状態が明らかとなった(笠井)。正八面体型モリグデン又はタングステンの6核クラスター塩化物のアルキル化によってアルキル基を1〜4個持つ新規なクラスター・アルキル錯体を合成し、X線により構造を決定し、光反応での脱アルキル化による活性化と中間体ラジカルについてESR法で調べた(斎藤)。
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