研究課題/領域番号 |
61129004
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小清水 弘一 京大, 農学部, 教授 (90026518)
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研究分担者 |
佐々 武史 山形大学, 農学部, 教授 (80023456)
山口 五十麿 東京大学, 農学部, 助手 (00012013)
室伏 旭 東京大学, 農学部, 助教授 (00011916)
和田 清俊 東北大学, 農学部, 助手 (80182971)
瀧本 敦 京都大学, 農学部, 教授 (90026443)
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キーワード | アサガオ / アオウキクサ / 花成誘導物質 / 安息香酸 / トウモロコシ / カスタステロン / アコウ樹 / 老化促進物質 |
研究概要 |
1 生物検定法の開発:栄養繁殖性の強いサツマイモのシュートをアサガオに接木し、アサガオの花成条件下でサツマイモに花芽を誘導することができた。この系に花成誘導阻害剤CCCを与えると花芽は形成されなかった。したがって、この系を花成誘導物質の検定系として使用しうることが示された。 2 育種:アサガオの同質遺伝子系統を得るために、同じ光周条件で花成する品種と花成しない品種を交配し、F1世代を収獲した。 3 代謝・内生成分の比較:アサガオ(ムラサキ)の貧栄養条件下における花成反応が内生クロロゲン酸レベルと高い相関関係にあることを見出した。しかし、クロロゲン酸レベルは光周による花成誘導とは対応していなかった。アオウキクサの花成誘導物質である【^(14)C】-安息香酸のアオウキクサによる代謝を調べた。その結果、4つの代謝物(安息香酸のaspartate,isacitrate,およびmalateとベンジルアルコールのapiosylglucoside)を同定した。配糖体の生成量は花成とよく相関していることから、代謝物の中でも配糖体が、安息香酸の作用機構上、重要な役割を果たしていると推定された。一方、安息香酸によってアオウキクサに誘導される新合成蛋白を分析したところ、分子量約5万の蛋白が安息香酸処理開始直後から増加していることを見出した。シクロヘキシミドは安息香酸と同時に与えると高い花成阻害効果を示すので、この蛋白が花成誘導に重要な意味をもっていることが示唆された。 4 発芽・生長:レタス種子の発芽による抗アブシジン酸活性試験を用いて活性物質の生産菌を2株見出した。そのひとつの活性成分は水溶性であった。トウモロコシの生長因子をカスタステロンと同定した。 5 老化:アコウ樹に含まれる老化促進物質として、ジャスミン酸とそのメチルエステルならびにリノール酸,リノレン酸,アブシジン酸を同定した。
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