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1986 年度 実績報告書

細胞癌化の分子機構・癌表現形質発現に関与する遺伝子およびその産物の解析

研究課題

研究課題/領域番号 61210019
研究機関大阪大学

研究代表者

角永 武夫  阪大, 微生物病研究所, 教授 (00160987)

研究分担者 牧野 耕三  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20181620)
八木 孝司  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80182301)
三好 淳  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80166214)
キーワードアクチン / 癌表現形質発現 / 細胞骨格 / 遺伝子発現 / エンハンサー / アクチン結合蛋白質 / リン酸化 / 腫瘍プロモーター
研究概要

癌表現形質発現におけるアクチンおよびその関連蛋白質の役割を追究し、以下の研究実績を得た。
1.変異ヒトβ-アクチン遺伝子を3T3細胞に導入するとある頻度で形態が変化した細胞が出現した。変異β-アクチンの発現量と形態変化との相関関係を検討中である。
2.血清増殖因子や腫瘍プロモーター処理によって細胞を【G_0】期から【G_1】期へ誘導すると15分以内にβ-アクチン遺伝子の転写が促進された。この転写誘導は新しいde hovo蛋白質合成を必要とせず、またマウス細胞のみならずヒトやサルの細胞でも起ることが判った。
3.ヒトβ-アクチン遺伝子の5'上流域の種々の変異体を作り、CAT遺伝子に連結し細胞に導入してしらべた結果次の知見が得られた。
(1)ヒトβ-アクチン遺伝子の発現には、TATAボックスを含むプロモーター領域、その上流にあるアクチベーター、および下流のイントロン内にある、エンハンサー配列の三つの要素が関与している。(2)腫瘍プロモーターによるβ-アクチン遺伝子転写の誘導にはエンハンサー配列の存在が必須である。(3)エンハンサー配列に特異的に結合する核蛋白質が存在する。
4.ヒト心筋アクチン遺伝子は【G_0】期から【G_1】期への増殖誘導時に転写が促進されなかった。
5.細胞の癌化と共に、アクチン結合蛋白質であるカルスペクチンの合成量が低下し、一方でそのリン酸化が促進された。リン酸化は主にセリン残基に起った。
6.ヒト皮膚線維芽細胞を【SV_(40)】で株化した細胞は不死化しているにもかかわらず造腫瘍性がなかった。この細胞にc-Ha-ras遺伝子を導入すると造腫瘍性を示すようになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Taniguchi,: J.Biol.Chem.,. 261. 6100-6106 (1986)

  • [文献書誌] T.Kakunaga: IARC Scientific Publication No.67,Transformation Assay of Established Cell Lines:Mechanisms and Apprication. 55-76 (1986)

  • [文献書誌] T.Hashimoto,: Mutation Res.,. 166. 215-220 (1986)

  • [文献書誌] J.Sagara,: Cancer Res.,. 46. 5291-5286 (1986)

  • [文献書誌] H.Yamasaki,: J.Cell Biochem.,.

  • [文献書誌] S.Taniguchi,: J.Biol.Chem.,.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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