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1986 年度 実績報告書

HTLVの感染と予防に関する基礎的並びに臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 61210023
研究機関高知医科大学

研究代表者

三好 勇夫  高知医大, 医学部, 教授 (30033088)

研究分担者 矢野 昭起  高知医科大学, 医学部, 助手 (20167696)
久保西 一郎  高知医科大学, 医学部, 講師 (10153339)
田口 博國  高知医科大学, 医学部, 助教授 (20033350)
キーワードHTLV-I / ウサギ / 感染実験
研究概要

ヒトにおけるHTLV-Iの感染経路として輸血感染,母児感染,夫婦感染の3通りが疑われており、これらの感染経路を遮断することがATLの予防対策上最も重要である。そこでウサギを用いてHTLV-Iの感染経路と予防法を検討した。1.HTLV-Iの輸血感染:HTLV-Iは20mlの輸血によりウサギからウサギに容易に感染したが、血漿の輸注によっては感染しなかった。又X線照射(6,000ラド)した血液を直ちに輸血した場合にもウイルス感染は成立したが、X線照射した血液を1-2週間4℃に保存後輸血した場合にはウイルス感染は成立しなかった。日本では輸血によるHTLV-I感染が最も主要な感染ルートであるが、抗体陽性血を排除することにより輸血用血液が不足するならば、X線照射した保存血の使用が考慮される。2.HTLV-Iの経口感染:雄ウサギ由来のHTLV-I産生細胞を雌ウサギに週2回経口投与したところ、4匹中1匹が8週後にウイルス抗体陽性となり、このウサギからHTLV-Iが分離された。3.HTLV-Iの母児感染:4匹のHTLV-I感染ウサギ(雌2匹,雄2匹)と4匹の非感染ウサギの間でそれぞれ妊娠させ、2匹の感染ウサギから7匹の子ウサギが生れ、2匹の非感染ウサギから5匹の子ウサギが生れた。前者の7匹中4匹が6-13週後にウイルス抗体陽性となったが、後者の5匹は抗体陰性のままであった。抗体が陽転した4匹すべてからHTLV-Iが分離された。更に感染ウサギから生れた5匹の子ウサギを生直後に屠殺し、脾細胞を短期培養し、培養細胞についてウイルス抗原の検出を試みたが、全て陰性であった。これらの結果はHTLV-Iの母児感染が子宮内感染でなく、母乳を介しておこることを強く示唆する。最近私共はHTLV-Iが56℃30分の加熱により不活化されることを見出したが、この方法はヒトでの母乳感染の予防に応用出来るであろう。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] K.Yamato;H.Taguchi;S.Yoshimoto;M.Fujishita;M.Yamashita;Y.Ohtsuki;H.Hoshino;I.Miyoshi: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 77. 13-15 (1986)

  • [文献書誌] S.Kotani;S.Yoshimoto;K.Yamato;M.Fujishita;M.Yamashita;Y.Ohtsuki;H.Taguchi;I.Miyoshi: Int.J.Cancer. 37. 843-847 (1986)

  • [文献書誌] S.Hirose;Y.Uemura;M.Fujishita;T.Kitagawa;M.Yamashita;J.Imamura;Y.Ohtsuki;H.Taguchi;I.Miyoshi: Lancet. 11. 397-398 (1986)

  • [文献書誌] Y.Uemura;S.Kotani;S.Yoshimoto;M.Fujishita;S.Yano;Y.Ohtsuki;I.Miyoshi: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 77. 970-973 (1986)

  • [文献書誌] T.Kitagawa;M.Fujishita;H.Taguchi;I.Miyoshi;H.Tadokoro: JAMA. 256. 2342 (1986)

  • [文献書誌] Y.Uemura;S.Kotani;S.Yoshimoto;M.Fujishita;M.Yamashita;Y.Ohtsuki;H.Taguchi;I.Miyoshi: Blood. (1987)

  • [文献書誌] A.Seto;N.Fu;S.Matsuda;T.Eguchi;I.Miyoshi: "Cancer Cells Vol.5:Papillomaviruses" Cold Spring Harbor Laboratory, (1987)

  • [文献書誌] 三好勇夫: "成人T細胞白血病・リンパ腫" 西村書店, (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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